【漢詩の楽しみ】春夜喜雨(春夜、雨を喜ぶ)
好雨知時節、當春乃発生、随風潜入夜、潤物細無聲、野径雲俱黒、江船火獨明、暁看紅湿處、花重錦官城
好雨(こうう)時節を知り、春に当って乃(すなわ)ち発生す。風に随いて潜(ひそ)かに夜に入り、物を潤(うるお)し細(こま)やかにして声無し。野径(やけい)雲は俱(とも)に黒く、江船(こうせん)火は独り明らかなり。暁(あかつき)に紅の湿れるを看れば、花は錦官城(きんかんじょう)に重からん
詩に云う。よき雨は、降る時節を知っているのか、まさに春に降って、新しい命を発生させる。雨は風の吹くまま、ひそやかに夜まで続いた。その様子は、こまやかに万物を潤して雨音もたてない。野の小径も、雲と同じように暗く、江上の船の漁火だけが明るく見える。明日の夜明け頃に、赤く湿ったところを見たならば、それはきっと錦官城(成都)の花がしっとり濡れて、重くなっている情景であろう。
関連記事
なぜ私たちは、気づかぬうちにネガティブ思考の渦に飲み込まれてしまうのか。脳科学と最新研究から「絶望のループ」の正体をひもとき、抜け出すための具体的なヒントを探ります。
101歳で運転も世界旅行も現役──栄養学者が語る、遺伝ではなく「7つの生活習慣」こそが長寿の鍵。誰でも実践できるシンプルな秘訣が詰まっています。
毎日使う鍋や食器が、知らずに体へ影響しているかもしれません。がんを克服した教授が実践する「無毒キッチン」の知恵を通して、今日からできる安心な選び方と食習慣を学べる一編です。
金価格が高止まりする中、富裕層は地金を保管するだけでなく、貸し出して収益を得る動きを強めています。金で利息を受け取るゴールドリースは、インフレ対策と資産活用を両立する手法として注目されています。
自閉症は一つではなかった――。最新の国際研究が、早期診断と遅発診断で遺伝背景や発達経路が異なることを解明。支援やスクリーニングの在り方を見直す重要な知見です。