【歌の手帳】世捨て人の願い
願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ(続古今)
西行(1118~1190)の作。22歳で出家し仏門に入った西行は、文治6年2月つまり如月(きさらぎ)16日、河内国(大坂)の弘川寺で病のため入寂します。新暦でいえば3月30日に当たるので、桜の盛んな季節であったことでしょう。
まさに自身の歌の通りに生涯を完結させました。その見事さが、西行の歌人としての名声を後世につよく印象づけたことは間違いありません。享年73歳。当時としては十分に長寿でありながら、その足跡は関東から奥州、あるいは紀州高野山など各地に及んでおり、晩年になってからも健脚を維持していたことが伺われます。
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