古代中国の物語

善行には良い報いがある

唐玄宗の時代、御史大夫(官吏の監察・弾劾を司る長官)を務める魏方進には言葉が喋れない弟がおり、15歳になっても、よだれや鼻水を垂れ流していて、親族や周りにバカにされていた。彼のことを哀れに思う姉は、たった一人で彼に衣食を与え、召使に彼の入浴を手伝わせ、面倒をみていた。

ある朝、彼はいつものように体をあちこち掻きながら鼻水を垂らし、屋外で日向ぼっこをしていた。すると、隣家に数十人の騎士を連れた使者が現れ、「仙人大師はどちらに?」と訪ねた。使者は近くにいた彼に気づくと、彼に深く礼をした。

暫くしてから、「なぜ遅れたのか?ことはもう済んだのか?」と彼は声を高くして問い詰めた。「まだ完成していないものがあります」と使者は答えた。「では、早く行って片付けなさい」と彼は使者を叱責した。一部始終を見ていた隣人は、愚かだったはずの彼が別人のように表情を輝かせ、事理をわきまえていたので驚いた。

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