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チベットの光 (15) 報復の継続

 ウェンシーはここに至って、村人たちが彼を殺害しようとは思ってもみなかったが、それから数日後にあるヨガ行者が当地を訪れ、彼に会おうとした。彼に会うと、ウェンシーは始めてことの経緯を知った。

 「私が巡礼の旅にでたとき、ちょうどあなたの郷里にさしかかり、あなたのお母さんの家に数日間泊めてもらいました」。行者はウェンシーの母親や妹のこと、郷里の状況をウェンシーに言って聞かせた。彼は話の中でウェンシーの郷里で発生した大事件について触れた。「…少し前、あなたの郷里で惨事があった。一番の地主さんの家で慶事があった際に、三十五人が死亡した…」

 ウェンシーはここまで聞くと、すぐに何が起こったのかを悟った。なぜなら、彼が呪法を修してから十四日目の晩、ちょうど叔父の家で惨事があったその夜だが、護法の神が彼のところに現れて、手に三十五人の頭と心臓を携えていたのだ。神はウェンシーに尋ねた。「これらの者たちを始末してほしいのだな」「後、残り2名を殺すべきだが、どうだ」

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