古代の人々は天文観測を通して暦を作り未来を予測した(Photo by AHMAD GHARABLI / AFP) (Photo by AHMAD GHARABLI/AFP via Getty Images)

古代中国の神秘的な天文官「欽天監」

古代エジプト人は、太陽とシリウスの位置を観測することによって、ナイル川の増水期を判断していました。古代メソポタミア(現在のイラク)で大規模に建築された建築物は、天体観測を目的としたジッグラト(天文台)でした。中国においては、2000年以上前の戦国時代から星図が応用されていました。中国では古代から清王朝に至るまで、天文現象を観測し、天の意志を予測する部門と人員が絶えずに存在していました。

このような仕事をする人々は、明王朝で「欽天監(きんてんかん)」と呼ばれていました。「欽天監」はいささか神秘的な役職です。明王朝は最初、元王朝の旧制を踏襲し、この官職を「太史監」と称し、後ほど「太史院」と改称されました。そして最終的には「欽天監」と名付けられました。天の意思を探るため、北京と南京の南東方向に観象台(天文台)が建てられ、中に「渾天儀」と「簡儀」などの天文学用の設備が設置されました。欽天監には「監正」(台長)が一人、「監副」(副台長)が二人配属され、天文現象を把握し、暦法を定め、天体の運行を推測し、占いを行います。太陽、月、星、風と雲などの天文現象は全て欽天監の術官(天文学者)たちが観測します。欽天監は天象の異常を観測したとき、天の警告としてそれを文書に記録し、皇帝に伝えます。

欽天監には、春、夏、中、秋、冬というの五つの「官正(かんせい)」が一人ずつ配属されており、その五つの官にはそれぞれ「霊台郎(れいたいろう)」が八人、「保章正(ほしょうせい)」が二人、「挈壺正(けっこせい)」が二人、「監候(かんこう)」が三人、「司暦(しれき)」が二人、「司晨(ししん)」が八人、「漏刻博士(ろうこくはかせ)」が六人配属されます。「官正」は、「司暦」と「監候」の補佐をもって暦法と四季を推算し定めます。「霊台郎」は太陽と月、星辰の躔次(てんじ、天体が運行して占める位置)をわきまえ、天文現象の変化を把握します。「保章正」は天文現象の変化をもって吉凶判断を行います。「挈壺正」は刻漏(こくろう)を司り、明け方と夕刻の中星(ちゅうせい、中天の南方にある星)の位置を観察します。「漏刻博士」は、「司晨」の補佐をもって、漏刻を観測し、「時牌(じはい)」を交換することで時刻を知らせ、夜になると更を知らせる鼓を打ち鳴らし、朝になると晨旦を知らせる鐘を打ち鳴らします。欽天監の観象台の東西南北の4方向には、それぞれ四人の「天文生(てんもんせい)」が交代で観測します。

▶ 続きを読む
関連記事
生姜は冬に役立つ食材ですが、使い方によっては体の温かさを外に逃がしてしまうこともあると考えられています。酢と火の入れ方を工夫した、生姜焼きの一例を紹介します。
三日坊主で終わる目標を、今度こそ「続く習慣」に変えたい人へ。意志力に頼らず、自分自身の心理を味方につける発想とは? アイデンティティ・言葉・感情の3つから、無理なく変わり続ける実践的ヒントを解説します。
立春は、体が冬から春へ切り替わる途中にあります。不調が出やすいこの時期は、無理に補うより、季節に出回る食材を使い、体の流れを整えることが助けになると考えられています。
外遊びはただの気分転換ではありません。骨や免疫、集中力や心の強さまで育てる理由を科学的に解説。安全と成長を両立させる、親が知っておきたい屋外遊びの本当の価値がわかります。
毎日飲むコーヒー、その一杯は本当に安心ですか。健康効果の裏に潜む化合物とリスクを整理し、選び方・淹れ方で不安を減らす実践的なポイントを、研究結果をもとにわかりやすく解説します。