≪医山夜話≫ (28-3)
病と性格(3)
マーサは、自分の人付き合いが下手な根本的な原因はいったい何なのか、そして病気の原因は何なのかが知りたくて、再び私の診療所にやって来ました。
マーサは私に自分の家族や母親との今までの関係を分析するかのようにゆっくりと話し始めました。「姉のアンナはとても人付き合いが良くて、何事にも気をかけず、母の自由な生活スタイルにとっくに馴染んでいました。姉の全財産は小さいスーツケース一個で、姉はいつでもそれを持って出かけられます。一方、私ときたら先生もお分かりのようにコレクションが大好きで、幼い頃にはじめて切った紙の蝶々まで未だに持っています。大人になってからも、数十箱に及ぶコレクションすべてに番号を振っていて、それらがあまりにも面倒なため、母は私の引っ越しを諦めたくらいです」
「まるで私が母親で、母が子供のような関係が長い間続いていましたが、私がガンになってから、私と母はやっと普通の親子のように話すことができました。『マーサ、実をいうとあなたがこの病気になったことに、あまり驚かなかったの。いつかはこうなるのではないかと思っていたのよ』という母の言葉を聞いた途端、私は頭の中が真っ白になりました」
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