【医療現場の奮闘と苦悩】
浜松医大訴訟に対応した教授、中国臓器移植の闇を語る
「残念なことに、日本も違法性が疑われる渡航移植に加担している」。国内の裁判を通じて、人道的問題を抱えるとされる中国の臓器強制摘出問題に向き合った浜松医科大学の大磯義一郎教授はこのほど、大紀元の取材に対し日本の海外移植ツーリズムの問題について語った。大磯教授は、日本における違法なあっせんの廃止と、渡航移植の透明性を確保した法整備の必要性を説いた。
大磯氏によれば、同大学の泌尿器科教授は、臓器取引と移植ツーリズムを禁止すべきとしたイスタンブール宣言(2008年)が出される前の2000年初期から、不正が疑われる海外渡航移植の問題を認識していたという。大磯氏は「中国で臓器移植をしてきた、と入ってくる患者さんが出始めた。紹介状なども含め適正な移植手術が行われたとは思えないことは一目瞭然だ」と語った。
いっぽう、イスタンブール宣言以降でさえ、日本における渡航移植問題の認知は低いと指摘。医療界でもこの問題は長らくタブー視されていたとのこと。違法性のある組織との関与が疑われることもあるため、民間単独での対応は困難となることもある。中国の非人道的な臓器移植の問題を認知していないため、中国に対して日頃厳しい意見を持つ新聞社でさえ、浜松医大の対応を批判する論調を展開していた。「この状況は現場の医師たちを苦しめた。(渡航移植は)警察も対応困難な事案だ」。
関連記事
人間の生命の尊厳を回復させるために果敢な行動を取ったケネディ保健福祉省長官は称賛に値する。米国保健福祉省(HHS)は、「死亡ドナー規則」に違反したアメリカ内の病院を摘発。これらの病院では、完全に死亡していない可能性のあるドナーから臓器が摘出されていた。
東京の文京シビックホール展示室 2で、11月10日から3日間、生体臓器収奪の闇をポスターというアートで暴き出したポスター展が開催される。そこには全日本人が知るべき中国の臓器狩りの実態が表現されている
台湾衛生福利部苗栗病院精神科部長の黄千峯医師が横浜で講演し、アルコール依存対策と臓器移植倫理を語った。田野井市議は「事実に衝撃を受けた」と述べ、日台の医療協力に期待を示した。
中国共産党が現在も処刑された囚人から臓器を摘出しているとの証言が、オーストラリアに亡命した中国人医師によって明らかになった。国際的に最大規模の移植施設との協力をオーストラリア当局が検討する中、人権団体は強い懸念を示している。
厚労省が進める移植医療体制改革の一環として、中国と関係が深い藤田医科大学などが臓器提供者家族への説明・同意を担う新法人を設立へ。JOTの負担軽減と迅速な地域対応を図る一方、海外移植の倫理問題も課題となっている。