高智晟著『神とともに戦う』(27) 孤独な者の孤独な夜

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友人が送ってくれた袁紅冰(北京大学法学部の元教授)氏の『高智晟弁護士の孤独』という文を読んだ時、私は涙をこらえられなかった。袁氏は、中国の弁護士全体に対して鋭い喝を入れた。

すなわち、中国の弁護士にあまねく見られる無責任さやモラルの低下に対し、メスを入れたのである。だが、個人にせよ、集団にせよ、度を越えた恥ずべき行為を自ら進んでやることは、普通ありえない。私はここで、袁氏と論争したり、中国の弁護士のために弁解する気は一切ない。「中国の弁護士は、腐敗した司法に媚びへつらう乞食のような犬に過ぎない」

なんと鋭い指摘であろう。私はこの文章を、あれら身なりだけは立派な同業者に是が非でも読んでもらいたい。しかし、彼らがこれを読んでも大して変わらないことは分かっている。そのことに心をひどく痛めているのは、私も袁氏も同じである。

2001年、私は内外のメディアに「恥知らずな弁護士訴訟事件」と呼ばれた案件を担当した。実は、姚氏集団の理事長・姚志萍氏は「中央テレビ局の『焦点訪談』の記者を不法に軟禁した」と中傷されていた。私は、東北地方で名高い王玉_qii_弁護士と共に彼の案件を弁護したのだった。拘留されていた姚理事長は、接見に来た我々に対してこう述べた。

「高弁護士、びた一文も受け取っていないのに、私の弁護のため、新疆からはるばる東北地方まで駆けつけて下さり(当時私は新疆で開業していた)、本当にありがとうございます。冤罪が晴れた暁には、必ずお二人には手厚い御礼をいたします。お二人、それぞれ10万元でいかがでしょうか」

私は間髪入れず姚理事長に言った。「弁護士を信頼し、尊重してください。当事者がよこす規定料金以外の報酬は、私から見れば、私を信頼も尊重もしていないことに他なりません」。これに姚理事長は涙で顔をぬらした。

姚理事長の予想に反して、王弁護士はこの約束を忘れなかった。この後、王弁護士は様々な手を使って、「10万元を支払う」という約束を果たすよう、姚理事長に強要した。その結果、合わせて9万9千5百元を奪い取ったのだった。

だが残りの5百元を支払わなかったとの理由で、王弁護士は姚理事長を訴えた。(姚理事長の会社は、中央テレビ局の『焦点訪談』の記者から裏取引を公に指摘されるとともに、その効率や残虐性、情け容赦のなさ、および殺傷力の面から見ても、どのマフィアよりも悪質な司法による迫害を画策されたのであった。当時の政治屋である慕綏新・瀋陽市元市長や馬向東・瀋陽市元副市長などが黒幕となり、姚氏集団の幹部20数名が捕まり、10名が半年も拘留された。わずか数ヶ月で、活気みなぎる企業が死に追いやられた)

王弁護士は、訴訟の形で報酬を要求した。全くなりふりかまわずに、恥知らずな手段を選んだ。私も驚きを隠せない。何よりも心痛むのは、王弁護士の周りの弁護士5名は、この王弁護士の不法請求の件において、平気な顔で証言台に立ったのだ。この5名は例外なく、「この王弁護士の請求行為は当然であり、姚理事長が即座に残りの5百元を支払わなかったことこそモラルに反する」と見なしていた。

 (続く)

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