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チベットの光(34)師母のはからい

師父は、ウェンシーが自分の言ったことに一切恨み言も言わず、黙々と謹厳実直にやり抜くのを見て、内心驚きを禁じ得なかった。「この怪力君は、まことに不撓不屈で、行い難きを行い、忍び難きを忍ぶことのできる大丈夫の強者だ。実に、称賛に値し、心を打たれる」。師父はこのように深く感銘を受け、人の見ていないところでしばしば涙を流していた。

 日一日と過ぎ、ウェンシーの背中の傷は次第に大きくなり、最後には耐えられないほどになったので、師母のところに行って言った。「師母、わたしの背中の傷は耐えられないほどになってしまいました。どうか先生のところに行って、先に法を伝えてもらえないか、あるいは少し休養して傷を癒してもいいか、うかがっていただけないでしょうか?」

 師母がウェンシーの話を師父に取り次ぐと、「工事が終わらないうちは、法は絶対に伝えない!そんなに背中の傷が痛むなら、数日休めばいい」と師父は答えた。

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