チベットの光 (44) 絶望と自殺への思い

 アバ・ラマは、師父が傍らにあった棍棒を手に取り、憤怒の表情を浮かべているのを見て、恐ろしくて地面に跪き、全身を震わせながら、戦々恐々として言った。「先生、私は決して自分勝手に法を伝えたわけではありません。というのも、ウェンシーが先生からの親書をもってきて、法を伝えるようにとしたためてあったからで、それにもましてノノバ尊師の身荘厳と紅石の玉印を伝法の証物としてもってきていたのです。先生、許して下さい」

 師父はこれを聴くと、怒りに震えてウェンシーに目を転じた。「この恥知らずが!おまえはそれをどこから持ってきた!」

 ウェンシーは地面に跪くと、恐怖の余り言葉が出てこなかった。彼は、恐怖で全身の細胞が充満し、何を言っていいやら分からなかったが、やっと一言だけが口をついて出た。「それは師母からいただきました」

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