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≪医山夜話≫ (54)

十二時と十二臓腑との対応

人体には時間的な規律が存在しています。 これを「人体の生物時計」といい、これの進み具合に合わせて、臓腑機能も変化します。飲食、睡眠、排泄などは普通、それなりの規律があるのです。この「時計」は人体にいつ、何をするべきかを教えるだけでなく、その規律に背く場合、時計は運行休止になる場合もあります。この時計の「鍵」は人間自身の手に委ねられてはおらず、ある神明がこのすべてを制御しています。

 人体の時計と自然の「時間」との間には、密接な関連があります。気血(人体内の生気と血液)は人体の精華で、体内を流れているものです。気血は経絡を通じて体の各部位まで流れ、臓腑、四肢と百脈に流れ込み、それらを養っている、と中国古代の生命科学は認識しています。この流れは潮の満ち引きのように、時間的な規律があります。例えば、4時に気血が肺経脈に流れ込む時、その臓腑の機能は活発となり、16時の膀胱経脈の機能は弱い状態になります。ある時刻にある臓腑への気血の流れが最も不足する時には、臓腑の機能が最も弱い時になります。これが「十二時」の規律です。

 「十二時」とは一昼夜を12の時間帯に分け、それぞれの時間帯を十二支の名称で呼ぶものです。「十二時」と二十四時間の対応関係とは、子の刻(23-1)、丑の刻(1-3)、寅の刻(3-5)、卯の刻(5-7)、辰の刻(7-9)、巳の刻(9-11)、午の刻(11- 13)、未の刻(13-15)、申の刻(15-17)、酉の刻(17-19)、戌の刻(19-21)、亥の刻(21-23)です。気血運行の順序は肺経(3-5)から始まり、順番に大腸(5-7)、胃(7-9)、脾臓(9-11)、心臓(11-13)、小腸(13-15)、膀胱 (15-17)、腎臓(17-19)、心包(19-21)、三焦(21-23)、胆(23-1)、肝経(1-3)を通過してからまた肺経に戻ります。各臓腑と経脈に流れ込む時間は一時、つまり2時間となります。だから、臓腑に重い病気を抱える患者は、生物時計がその臓腑の時刻に止まり、進まなくなる場合もあります。

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