高智晟著『神とともに戦う』(45)司法部の野蛮行為に対する反論③

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北京市司法局の無法ぶりを数え上げればきりがない。例えば毎年、中央省庁(司法部)の支持の下、憲法や法律に露骨に反して、弁護士および弁護士事務所に対するいわゆる「検査」を行っている。この検査は、2004年7月1日より前は何の法的根拠もないだけだったが、7月1日より後は、全く露骨に憲法および行政許可法に反する悪行となった。

これ以降、全国各地では、弁護士および弁護士事務所から金をゆすり取るという違法な悪行に対し、基本的には終止符が打たれた。新疆のような遅れた地域でもこの検査は中止になったのだが、中国の首都・北京の司法局はこの愚行をやめることはなかった。

すなわち、国の法治の原則を踏みにじり、弁護士および弁護士事務所の営業権益や財産権益を重大に侵しながら、北京司法局は毎年1億元近い金を巻き上げては私服を肥やしていたのである。その一方で、この違法検査を利用し、「聞く耳を持たない」弁護士に対しひどい弾圧も行っていた。

これらの野蛮な行為に対し、多くの弁護士は恐怖心を持ちながら、ただじっと屈辱に耐えていた。彼らはそんな弁護士の心理をとことん利用した。例えば北京では通常、印鑑を一つ彫るのに100元余り(日本円で約1300円)あれば十分だ。北京市司法局が指定した印鑑店ではその価格が数倍に跳ね上がるのだが、これに文句を言う者などいない。

また司法局は毎年、指定の所で財務監査を受けるよう、弁護士事務所に強要する。費用は通常の倍であるが、これに従わない弁護士事務所も皆無である。新年や節句などに当局を訪れ、腰を低くして賄賂でも渡さなければ、その弁護士事務所は必ず当局の嫌がらせに遭うはずだ。弁護士から金をゆすり取る、彼らの手段の卑劣さは普通の人には想像もつかないほどである。

また、弁護士および弁護士事務所が、北京司法局管理部門のご機嫌をとりながら、なんとかうまくやっていくことの難しさも、普通の人には想像もつかないだろう。司法局は、弁護士を完全な人格を持った人間として見ていないからだ。

北京市司法局があれほど無法の限りを尽くすもうひとつの原因は、そのトップである局長が完全に「無法の限りを尽くすお方」だからである。2003年11月、政府による暴力的で野蛮な強制立ち退きの悪行を暴露して批判した私は、この局長に呼び出された。彼は開口一番、「私のような『大局長』が君を呼んだのだ。君は問題の深刻さを分かっているだろうね」と言い放った。

ついで彼の口から出たのは、彼が私を呼んだ本音だった。「君はなぜ、強制立ち退きを犯罪と言うのか。私が東城区の党書記だった頃、数多くの強制立ち退きを手がけた。だから君が『強制立ち退きは犯罪だ』などというのは許せない。それでは私を犯罪者だと言っているようなものではないか」。この「大局長」にとって、犯罪かどうかを判断する基準は法律ではなく、トップである自身の権力なのである。

北京市司法局による「高晟智弁護士事務所」への弾圧は、国内外の批判と非難を招いた。法を踏みにじる愚行だとの非難を受けた当局は、その怒りを私個人に向けて爆発させた。自らの臆病さと無知、無法さがもたらした「しっぺ返し」の痛みを少しでも紛らわせようと、ますます陰湿な企みで、躍起になって私を迫害したのである。しかし、そんな企みは彼らの予測に反して毎回必ず失敗に終わり、ただ自身の痛みを増すだけであった。

 (続く)

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