チベットの光 (57) 忍辱

叔母が帰った後もミラレパは洞窟の中で修行を続けた。しかし、しばらくすると修煉の壁に突き当たった。自らどのように努力しようとも、それを突破することができずに、どうしたものかと思案に明け暮れていたところ、突如として彼は畑の中にあって、手には耕作用の農具が握られていた。しかし、畑の地面は硬く、耕すことは困難であった。

 「こんなに地面が硬くては耕すことができない」、ミラレパは独り言を言いながら諦めかけていると、遠くの空から一筋の金光が出現した。それは、遠くから段々と近づいてきて、ミラレパが目を凝らすと、それは果たしてマラバ師父であった。師父は彼に言った。「おまえさんや、あきらめずに耕しなさい。地面が硬くてもひるまず、勇猛果敢に前進すれば、最後には成就するぞ」。言い終えると、マラバ師父はいつのまにか地面に降り立っていて、彼の目の前で畑を耕していた。彼もすぐに師父の後について畑を耕し始めた。しばらくして彼が振り返ってみると、畑の中には豊穣の苗が青々と茂っていた。彼は嬉しくなって、目を見開いてみると、そこは相も変わらない洞窟の中であった。それは元々、夢だったのだ。

 ミラレパはこの夢を見た後、大いに励まされた。夢の中で師父から指導を受けたようで、信心が大いに増したのであった。彼は思った。精進して努力すれば、必ず困難は突破できる。一層上の次元に行ける。ミラレパは夢を見た後、フマパイの洞穴に行って修行をすることに思い至った。

▶ 続きを読む
関連記事
視力や聴力、平衡感覚の衰えを、ただの老化だと思っていませんか。感覚の変化は、体の深い不調を知らせる早いサインかもしれません。
「レディ」という言葉は、もう古いのでしょうか。礼儀、慎み、敬意を手がかりに、現代における淑女らしさの意味を考えます。
せっかくの休暇だから、完璧に楽しみたい。そんな期待が、かえって旅を窮屈にすることがあります。思い出に残る休暇にするための考え方を紹介します。
新品の衣類には、染料、しわ防止加工、防水・防汚加工などの化学物質や、保管・試着時の汚れが残っている可能性があります。肌トラブルを防ぐため、着る前に洗う習慣が大切です。
歩行は、前頭葉や小脳、頭頂葉などが連携する高度な動作です。歩く速さ、歩幅、腕の振り、方向転換の変化は、認知症やパーキンソン病などの早期サインとなる可能性があります。