中国のIT大手テンセント看板(GREG BAKER/AFP via Getty Images)

「外国投資の審査、国外機関とも連携強化図る」テンセント子会社による楽天投資に政府回答

経済活動が国家安全保障に与える影響がますます増大するなか、日本政府は外国投資家の日本企業に対する投資に目を光らせている。4月30日、自民党の長尾敬衆議院議員は内閣委員会質疑のなかで、中国のIT大手テンセント(騰訊)の子会社が日本の電子商取引大手・楽天に出資することについて問題提起をした。これに対し、国家安全保障局(NSS)経済班は、外国投資家による対内直接投資の審査は「国家安全保障の重要な課題」であるとし、国内のみならず国外行政機関とも情報連携を強化していくことを図っていくと回答した。

テンセント子会社からの投資について、楽天は、経営やガバナンスに関わらない「純投資」であると説明している。しかし、テンセント側の発表では、楽天との関係は「資本提携」とされている。そしてテンセントは、「デジタルエンターテイメントやEコマースなどのさまざまな活動で、戦略的に協力し、ともにインターネットのシステムを構築していきたい」との展望を示し、事業協力の可能性に言及している。

いっぽう、楽天自身も、テンセントとの事業協力を通じた中国市場の進出について語っている。三木谷社長は3月12日、ブルームバーグの英語放送に出演した際、「中国では日本製品やコンテンツは人気だ。しかし、中国への出品は日本企業にとって難しかった」とし、テンセントとの提携で「私たち(楽天)の出品者やコンテンツパートナーが、中国に出店する良いチャンネルになると考える」と述べている。

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