大紀元時報
【わたしは媽媽】

ニッポン子育て発見記 1 「静かにする」教育

2021年5月15日 06時00分
photoAC
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《日本の皆さん、こんにちは。私は中国出身で、今は日本で生活しながら3人の子どもを育てている媽媽(マーマ)です。私は日本が大好きです。そんな私が発見した日本文化のすばらしさを、皆さんにお届けします》

私は、日本に来て10数年になります。来日間もない頃は、私が生まれ育った中国との習慣の違いから、とまどうことばかりでした。しかし今では、ようやく日本社会を理解するとともに、日本文化のすばらしさ、特に日本が伝統的な価値観にもとづいて子どもを教育していることが実感できて、とても良かったと思っています。

来日当時、私がまず驚いたのは、日本がとても「静かな国」であることです。公共の場でも、住宅街でも、日本の皆さんは本当に静かにふるまっていますね。当時の私はというと、電車の中で全く「普通の声」で話しており、車内でもかまわず携帯電話をかけることも含めて、何の問題もないと思っていました。

しかし、それは間違いでした。後で知って反省しましたが、やはりその時の周囲の日本人の目が、異様なものを見るように私を見ていたのです。一方、日本の方々はというと、電車の車内でも、乗車する列に並んでいるときも、ほとんど声を出すことなく、お互いに、静かで秩序ある環境を保とうとしているのです。

その時の私には、日本人の行動のほうが不思議に見えていました。ところが、そんな私の無頓着が子どもたちに影響していたのです。もう数年前になりますが、日本の小学校に通っていた子どもたちを連れて、公共の路線バスに乗りました。子どもたちは、空いていた席に座って、大声ではしゃいでいました。私は、ほんの少し小言をいっただけで、あとは子どもたちを「傍若無人」のままにさせていたのです。正直「どうせ言っても聞かないのだから」と諦めていました。

バスを降りて歩きだした時、同じバスに乗っていた中年の日本人女性が近づいてきて、私に声をかけました。「バスの中で、お子さんたちに大声を出させたままにしていたわね。あれは良くないわよ」。私ははっと気づきました。公共バスは自分の家ではない、他人のことも考えなければならない。考えてみれば当然のことですが、それを直接注意されて、私は日本人から大切なことを学んだと思いました。

私は恥ずかしさで赤面しながら「申し訳ございません。ご迷惑をおかけしました」と、心からお詫びしました。私のそんな態度を見て、女性もこちらの誠意を感じてくれたらしく、満足した様子で去っていかれました。

「静かにする」とは周囲や他人への気遣いです。日本人は、子どものころから、こうした教育を受けてきたからこそ、気遣いの心が身についているのだと思います。

もちろん、日本人の子どもも、電車の中などで親の言うことを聞かずに駄々をこねたりします。そんな時、日本のお母さんは、必ず小さな声で、子どもの耳にささやくように注意していますね。親が興奮して、子どもを大声でののしることは決してありません。親が大声をあげたら「静かにしなさい」という教育にならないからです。

日本人が(例えば、大地震など大災害のときに)静かに秩序正しく、他人を尊重しながら整然と並んで待てるのは、こうした幼少時からの教育の成果なのかもしれません。すばらしいことだと思います。

一方、中国で私が受けていた教育は、日本のそれとは正反対のものでした。中国に昔からあった仁、義、礼、智、信などの徳目や、神を敬う中国伝統文化の教えは、中国共産党によってことごとく破壊されてしまったからです。

その結果、今の中国人は常に自己中心的で、他人を尊重できなくなってしまいました。公共の場でも大声で騒ぎ、礼節をわきまえない行動をとります。

中国人として本当に残念なことですが、私は日本での生活のなかで、中国で失われた貴重な精神文化が、日本に完全な形で保存され継承されていることを発見したのです。とりわけ日本の教育の場に、それが生かされています。

幸い私の子どもたちは、日本の小学校で学ぶことで、そうした良い伝統教育を受けることができました。そんな私の「ニッポン子育て発見記」を、日本の皆さまにお読みいただければと願っています。

(文・心怡 翻訳編集・鳥飼聡)

 

 

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