(Pixabay)
≪医山夜話≫ (15)

財産

財産は使うために存在するものです。お金がないと生活ができませんが、お金ばかりに目が眩んでもいけません。ひたすら節約して一文も使わないのなら、山積みの財産を持っていてもまったく意味がありません。金銭は体の外にあるもので、この世に生まれた時に持ってくることもできなければ、死ぬ時にあの世へ持っていけるものでもありません。

 私の患者の中に、命を惜しまず自分の家を守って離れない人がいました。彼は体を壊すまで、それに執着していたのです。

 とても見晴らしのよい地形の険しい山の斜面に、ジャックは大きな家を買いました。彼は滑り落ちそうな家を守るために、常に心を砕いていました。毎日のように雨が続くと、とても不安になります。山の斜面の土壌は不安定で、少しでも「ため息」をついたら、家はすぐに滑り落ちてしまいかねません。ハリウッド映画によく見られる建物の倒壊シーンは幻想の世界ですが、彼の家の危険度は現実のものでした。めったに見られないようなリアルな倒壊シーンを撮影するため、家の前にカメラを設置して待つ人も現れました。

▶ 続きを読む
関連記事
自分を許せない背景には、過去へのとらわれや強すぎる責任感が関係することがあります。責任を受け止めながら心を軽くする視点を紹介します。
突然の動悸や脈の乱れは、一時的なものだけでなく危険な不整脈の可能性もあります。受診の目安や発作時の対処法を医師が解説します。
春に悪化しやすい喘息、その原因は「炎症」にあった?最新研究が示す治療の変化と、発作を防ぐための生活の工夫をわかりやすく解説します。
鳥を見たり鳴き声に耳を澄ませたりすることは、不安や孤独感を和らげ、心を今に戻す助けになる可能性があります。気軽に始められる自然の癒やしです。
薬だけに頼らず、運動と生活習慣で進行にブレーキをかける——パーキンソン病と向き合う新しいアプローチをわかりやすく解説します。