UFO映像を公開した元米諜報員、名誉毀損の被害を訴える

米軍のインテリジェンス作戦に長年従事したルイス・エリゾンド(Lue Elizondo)氏は、退職後にUFO未確認飛行物体)に関する情報を公にした。しかし、映像公開後、同氏の信頼を失墜させようとする何者かの試みがあるとして、国防総省に告発文書を送った。

エリゾンド氏は5月18日、CBSテレビの番組で「私がUFOは存在していると言っているのではなく、米政府が言っているのだ」と述べた。「600~700G(重力加速度)の力で、時速1万3000マイル(約2万900キロ)で飛行し、レーダーをかいくぐり水上や宇宙も飛行できる技術。それが私たちの目にしているものだ」と語った。

エリゾンド氏は以前、米国務省「先端航空宇宙脅威特定計画(AATIP)」の責任者を務め、UFOの関連情報を収集し調査するプロジェクトを担当していた。このプロジェクトは2012年に解散した。その5年後の2017年、エリゾンド氏は3本のUFO関連ビデオを公開した。のちにこの映像は、国防総省の調査対象となった。

映像の公開後にCNNの取材に応じたエリゾンド氏は、「私の個人的な確信では、宇宙に存在しているのは人類だけではない。その証拠がある」と述べた。

いっぽう、ポリティコ誌(Politico)によると、エリゾンド氏は5月3日、64ページに及ぶ訴状を国防総省の監察局に提出した。複数の人物が彼の名誉を傷つけ、就職に影響を与えたと告発した。

訴状には、「悪意のある活動、調整された偽情報、職業上の違法行為、内部告発者の報復、および国防総省の特定の高官による明白な脅迫」と記されている。

エリゾンド氏の弁護団によると、同氏は監察局職員と数回面会し、中傷などに関する電子メールや公文書などの証拠書類を提出した。「国防総省の元情報員としての私の評判を落とし、米国民から真実を隠すための組織的な動き」だと同氏は考えている。

エリゾンド氏によれば、政府職員を辞めて間もない頃、ある高官から「君は頭がおかしいと言いふらしてみよう。そうすれば、機密情報の取り扱いに影響が出るかもしれない」と脅されたという。

「(高官の言葉を受けて)慎重な行動を取ることはできる。しかし、私は精神障害があるわけではなく、安全保障上の誓約に違反したこともない」と訴状に記している。

訴状によれば、オンラインの言論の場では、同氏に対して信頼を落とすことを目的とした情報操作があったと主張している。たとえば、一部のブロガーは、エリゾンド氏が政府でどんな職務も担当しておらず、UFOの研究もしていないと書いた。「ブロガーたちは、私が情報を捏造をしていると非難する記事を書いている」。

この件に関して、国防総省当局者は、大紀元の取材に応じなかった。

(SAMUEL ALLEGRI/翻訳・大紀元日本語ウェブ)