(nekoken89 / PIXTA)

誰に皇位を継承するのか?

南宋が成立して間もない頃、高宗趙構の一人息子が若くして亡くなってしまい、また彼の属していた太宗家系の多くも「靖康の変」で金国に捕らえられてしまったのでした。そのため彼は、「王位を誰に継承するか」という問題に悩まされることになったのです。

当時、宗国と金国の民衆の間では、「金大宗は宗太祖に似ている」「宋太祖の生まれ変わりだ」「王位奪還のために宋を攻めている」という噂が流れていました。高宗の生母である韋太后は、宋国の衰えは太祖の霊によるものだと考えており、太祖、大宗間の確執を解消するために、趙構に王位を太祖系?に返還するよう求めました。(註:太祖趙匡胤は弟の太宗趙匡義に王位を譲りましたが、大宗は自分の子孫に王位を譲ったのでした)。

『異跡略』に、かつて宋太祖が夢の中で高宗に王位を返還するよう求めことが記されています。また、太祖は夢の中で高宗にこう語りました。「あなたの祖先は長い間私の王座を占領し、そして宋の国はこのように滅びてしまった。王座を返還するべきだ」。一方、宋代の史記には宋太祖が高宗の伯母である孟皇后に夢で伝えたことが記されています。やがて高宗は王位を太祖家系に返還することに決めたのでした。

▶ 続きを読む
関連記事
研究では、生物学的年齢は生活習慣によって変わることが判明。運動、食事、睡眠、喫煙・飲酒の回避、ストレス管理の5つを改善するだけで、老化を遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された。習慣の見直しは何歳からでも効果があるという。
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
人気食材アボカドには、歴史・性の健康・怪我・アレルギー・動物毒性まで意外すぎる秘密が満載。読むほど驚きが続く「7つの知られざる真実」をご紹介します。
数百年前の喫煙習慣が、なんと骨にまで刻まれていた──。最新研究が明かした「骨が語る喫煙の記憶」は、健康観を揺さぶる驚きの事実です。
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。