中国建築上の十の奇跡(五)―秦始皇帝陵

 

皇帝陵墓と宮殿プロジェクト

周王朝以来、全て王朝の君主は「天子」と尊称されています。「天子」本来の意味は君主が天の子であり、天命により君主に人間の権威を付与することです。始皇帝以来、歴代の君主は皇帝と呼ばれ、天子も併用されています。秦始皇帝陵と明の成祖・永楽帝の紫禁城は雄大で美しくて、その上、迫力もあり、天子の尊威を表しています。また、文化上、美術上においても、千古不易の名作となっています。この二つの傑作は「天人合一」の意に従っています。

世界最大の皇帝陵墓―秦始皇帝陵

秦始皇帝陵は中国の陝西省西安から東に31キロメートル離れた臨潼区の驪山にあります。紀元前246年に13歳の始皇帝が着工し、72万人を集めて、39年間をかけて、紀元前208年に完成させました。秦始皇帝陵は世界でも規模が最も大きく、独特で意義深い皇帝陵墓の一つです。

秦始皇帝陵は内外に二重の城壁があり、皇城(宮苑や官庁を併せ含んだ区域)と宮城(皇城を中核とする一区画)を象徴しています。墓は内城の南部に位置し、高さ51メートル、底辺の周囲は1700メートル以上あります。秦始皇帝陵の中に様々な宮殿が修築され、数多くの宝物が積み上げられています。これまで、帝陵の周りには様々な形や意味合いを持つ400個以上の陪葬坑と墓が発見されています。

帝陵の中には軍事、兵法、水利、天文学、地理、占星術、芸術、及び技術やテクノロジーを表した様々なものがあります。例えば、発掘された兵馬俑が「世界の八番目の不思議」として知られています。また、地底宮殿の「水銀」の謎や兵馬俑の大量生産の謎など、現代科学を持っても解明されていません。

「千古一帝」と称される始皇帝には素晴らしい才能があり、数え切れないほどの世界初の記録を残しました。帝陵は始皇帝の永遠不滅の領地であり、天地宇宙の理に融合しています。

(文・羅瓊/翻訳編集・千里)