【芸術秘話】ミケランジェロと「ピエタ」
ミケランジェロの弟子であり同郷であり、そして友人でもあるジョルジョ・ヴァザーリ(1511年-1574年)は、自らの著作『芸術家列伝』の中で、神がこの芸術家に道徳と智慧と才能を授け、そのため、ミケランジェロは生活においても創作においても人々から賞され、崇拝されていると褒め称えました。
サン・ピエトロ寺院に展示されているミケランジェロの傑作「ピエタ」には、小さな物語があるそうです。
この大理石の彫刻は、見る人を魅了する素晴らしい芸術性と自然の美を表しているため、当時誰もこれが若い芸術家の作品であるとは信じられませんでした。皆が鑑賞しながらあれこれ言い合っていると、ある人が突然「これは誰の作品だ?」と尋ねました。ちょうどその場を通りかかったミケランジェロは、誰かが「ミラノから来たクリストフォロ・ソラーリの作品だ」と答えるのを聞きました。そこでミケランジェロはある晩、彫刻道具と小さなランタンを手に取り、こっそりと自分の名前を刻み込みました。それ以来、聖母の胸にはミケランジェロの署名が入っています。
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