「スーマン・ウォリアー」演習により締結国軍隊の相互運用性の強化を図る「5か国防衛取極」(シンガポール国防省)

英豪馬NZ新による「5か国防衛取極」軍事同盟強化 7月に訓練

「5か国防衛取極(FPDA)」締結国であるオーストラリア、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、英国の軍隊兵士132人が2021年7月5日から14日にかけて仮想形式で「スーマン・ウォリアー(Suman Warrior)」演習を実施したことで、同軍事同盟の永続的な重要性が改めて実証された。

シンガポールの主導で実施された今回の演習では、安保脅威の模擬環境における指揮所の構築準備に焦点を合わせ、締結国5ヵ国の部隊の相互運用性の向上に取り組んだ。

オーストラリア国防省報道官はFORUMに対して、スーマン・ウォリアー演習は今年締結50周年を迎えた5か国防衛取極が地域安保の中核となっていることを実証するものである」とし、「同演習より、5か国防衛取極締結国は従来型の軍事作戦における協力体制の強化、信頼性と自信の構築、各国軍隊兵士間の専門的関係と相互運用性の推進を図ることができる」と述べている。

2020年にはパンデミックを理由にスーマン・ウォリアー演習が中止された。オーストラリアのブリスベンで実施された2019年の演習には、図上訓練と共同実地訓練が含まれていた。

豪国防省報道官は、「2021年のスーマン・ウォリアー演習はシンガポールに実際に結集するのではなく、5か国防衛取極の情報システムを利用して仮想形式で実施された」とし、「5か国防衛取極締結国の軍隊が協力を図りながら戦闘群の指揮所を形成し、模擬の安保状況に対応して計画を策定できる能力を実証できたことで、同演習は仮想形式とは言え非常に効果的であった」と発表している。

シンガポールの参加部隊を率いたシンガポール陸軍第2歩兵旅団司令官のモハメド・フェロス(Mohamed Feroz)大佐(写真参照)は、シンガポール国防省(MINDEF)のニュースリリースで、「コロナ禍の中で実施されたスーマン・ウォリアー演習により、5か国防衛取極締結国の義務に対する強力な取り組みだけでなく、同取極の活動の再活性化が浮き彫りとなった」と述べている。

英国からはネパールのグルカ兵と英国軍の兵士・士官で構成される英国陸軍歩兵旅団の「王立グルカ・ライフル連隊」が同演習に参加した。グルカ旅団協会は、「5か国防衛取極が継続的に締結国の必要性を満たし、地域の安保構造で重要な役割を果たすことができるのは、刻々と変化する安保環境に適応する能力を備えているためである」と発表している。

シンガポール国防省の説明によると、シンガポールとマレーシアに駐留していた英国軍が撤退した後、両国の安保確保を目的として1971年に締結された5か国防衛取極は経時的に進化し、現在ではますます複雑化する安保環境の課題にも取り組んでいる。締結50周年を迎えた今年は複数の演習や会議などの活動が予定されている。

すでに4月には、締結国の軍隊が「ベルサマ・シールド(Bersama Shield)」演習を実施した。英国部隊はこの10月に実施される予定の5か国防衛取極の「ベルサマ・ゴールド(Bersama Gold)」演習に参加する予定である。これは通常「ベルサマ・リマ(Bersama Lima)」と呼ばれている演習であるが、締結50周年(「Golden」Anniversary)を記念して2021年は名称が変更された。

当然のことながら、オーストラリア、マレーシア、ニュージーランド、シンガポールも同演習に参加する。 シンガポール国防省によると、取極締結国の軍隊全体における情報交換を促進し、多国間関与を改善する上で同合同演習は非常に重要は役割を果たしている。

(Indo-Pacific Defence Forum)

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