農科学もうひとつの道 完全自然農法
8. 自給自足は可能か?~消費者から生産者の目線へ
異常気象や地震などの自然災害に加え、コロナウィルスのパンデミックも長期間にわたっている。もはや以前の暮しには戻れず、「新しい生活様式に慣れる必要がある」と世界中の政治家やマスメディアは発信し続けている。たとえ以前の生活に戻れないとしても、その先にある生活様式とは、具体的にどんなものなのだろうか。不安に満ちたものなのか、あるいは夢多きものなのか。
目の前に見える不安材料のなかで、もっとも大きな影響があると思われるのは、気候変動だろう。冬の寒波、夏の熱波。山林火災や大洪水は、2021年、例年に増して世界各地に厳しい爪痕を残している。まだ日本では、表立って問題にはなっていないが、食料危機への対応策は、優先されるべき課題だと考えている。そこで思い浮かぶ言葉は、ずばり「自給自足」ではないだろうか。
とはいえ、ひと口に自給自足と言っても、いざ具体的な行動に移すとなると、どんなプランで、何から始めれば良いのだろう。都会に住む個人が、いきなり田舎の農地付きの家を購入して移住したとしても、すぐに挫折するのは明らかだ。最近よく耳にする、仕事で現金収入を得ながら農業を始める「半農半X」という選択肢は現実的に見える。しかし、いまの肥料栽培の技術で営農するにしても、自然農法にチャレンジするにしても、個人(もしくは家族)単位で将来的に自給自足が実現できるのかというと、やはり難しいだろう。
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