20カ国・地域(G20)議長国を務めるイタリアのドラギ首相は12日、G20はイスラム主義組織タリバンとの協調を必要とする場合であっても、アフガニスタンの人道的危機に取り組むことで合意したと述べた。カブールで3日撮影(2021年 ロイター/Jorge Silva)

G20、アフガン人道的危機への対応で合意 特別首脳会議

[ローマ 12日 ロイター] – 20カ国・地域(G20)議長国を務めるイタリアのドラギ首相は12日、G20はイスラム主義組織タリバンとの協調を必要とする場合であっても、アフガニスタンの人道的危機に取り組むことで合意したと述べた。

G20はこの日、アフガニスタン情勢に関する特別首脳会議をオンラインで開催。ドラギ首相は会議後の会見で「人道的な緊急事態に対応する必要性について基本的に見解が一致した」とした。

会議にはバイデン米大統領やインドのモディ首相、欧州各国首脳が参加したが、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領は参加しなかった。

ドラギ首相は習主席とプーチン大統領が欠席したからといって、今回の特別首脳会議の重要性が損なわれるわけではないと強調。「今回の会議はアフガン危機に対する最初の多国間での対応だ。多国間協調主義は困難を伴いながらも復活しつつある」とした。

参加国はアフガン危機を緩和する必要性について全会一致で合意。ドラギ首相は「タリバンの関与なしにアフガニスタンの人々を支援することは非常に困難だが、それはタリバンを認めるということではない」とした。

また、タリバンは言葉ではなく行動で判断されるべきとしたほか、アフガニスタンにおける女性の非常に苦しい立場が特に懸念されていると指摘。ただ「現時点で進展は見られない」とした。

会談後の共同声明で、G20首脳はタリバンに対し、国外で活動する過激派グループに取り組むよう要請。また、今後の人道支援プログラムは女性や少女に焦点を当てるべきであり、国外への脱出を希望するアフガニスタン人には安全な通行手段を提供すべきとした。

会談に先立ち、中国はアフガニスタンへの経済制裁を解除し、数十億ドルに上るアフガニスタンの海外資産の凍結を解除するよう求めたが、資産の多くを保有する米英が反対しており、共同声明にこの件に関する言及は盛り込まれなかった。

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