中国の核戦力は今後急速に強化され、核弾頭数が2027年までに700発、30年までに1000発に達する恐れがある――。米国防総省は11月3日公表した中国の軍事力に関する年次報告書でこう警告した。上海で2019年7月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

中国の核弾頭は30年までに1000発に増加、米国防総省が報告書

[ワシントン 3日 ロイター] – 中国の核戦力は今後急速に強化され、核弾頭数が2027年までに700発、30年までに1000発に達する恐れがある――。米国防総省は3日公表した中国の軍事力に関する年次報告書でこう警告した。

米国は現在核弾頭を3750発保有し、そのうち1389発を実戦配備している。それに比べればまだずっと少ないものの、昨年時点で30年までに400発としていた見積もりが大きく上方修正された。

報告書は、中国による台湾への圧力が高まり続けている点に改めて懸念を示したほか、中国の化学・生物兵器開発、軍事技術の進歩にも言及した。ただ特に強調したのは、核戦力の増強だ。「向こう10年で中国は核戦力の最新化、多様化と拡大を目指している」という。

米政府は、米国とロシアの新たな核軍縮条約の枠組みに中国も参加するよう繰り返し呼び掛けている。一方中国側は、自国の核戦力は米ロ両国と比較にならないほど小さいと主張し、対話する用意はあるが、それは米国が中国並みに核保有を減らした場合に限ると表明している。

米シンクタンク「軍備管理協会」のエグゼクティブディレクター、ダリル・キンボール氏は「中国がこの米国の見積もりに沿った動きをするかどうかは、米国の政策と行動に大きな影響を与える。中国がこうした水準まで核戦力を引き上げる可能性こそが、核戦争リスクを減らすための二国間ないし多国間の実際的な協議が緊急に必要なことを浮き彫りにしている」と指摘した。

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