G7およびASEAN が自由で開かれたインド太平洋の「共通の関心事項」を宣言(AP通信)

G7およびASEAN が自由で開かれたインド太平洋の「共通の関心事項」を宣言

ラジオ・フリー・アジア 2021年12月に開催された先進7カ国首脳会議(G7)の外相会議で初めて実施された東南アジア諸国連合(ASEAN)との外相会議の後、G7は南シナ海の緊張状態に懸念を表明し、「自由で開かれたインド太平洋地域の維持に対する共通の関心事項」を宣言した。

 G7の現在の議長国である英国が主催した同国リヴァプールでの会議にカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国および米国で構成されるG7加盟国の外相が出席した。 

南シナ海の状況について話し合ったG7とASEAN加盟10か国のテレビ会議の終了後、英国は「海域の埋め立て、活動、海洋環境への棄損などを含む深刻な事態に対して懸念が表明され、地域の信頼性と安心感を喪失し、緊張が高まり、平和、安全、安定が損なわれる可能性がある」と声明を発表した。声明には特定の国名は記載されなかった。

 今までこのような行為で告発されていた中国はこの会議に招待されておらず、この声明に対して即座に反応を示さなかった。 参加国は「1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法に準拠した効果的かつ実質的な南シナ海における行動規範」を求めている。 オーストラリアのニューサウスウェールズ大学(University of New South Wales)のカール・セイヤー(Carl Thayer)名誉教授は、この会議は英国の主導で開催され、英国の外交政策の方向性が反映される可能性があると述べた。 

セイヤー名誉教授は、「G7の議長国としての特権を行使したのは英国であり、インド太平洋に対して独自の政策を掲げている」と述べている。 

英国政府は今後20年間の安全保障、防衛、開発及び外交政策の概要を2021年3月に発表した。明確な「インド太平洋への傾き」が見られるとの声もあがっている。2021年半ばには英国の新しい旗艦空母HMSクイーン・エリザベス(HMS Queen Elizabeth)が初めて南シナ海に派遣された。 

ベン・ウォレス(Ben Wallace)英国防大臣は、この派遣は「英国の海上、空中および陸上における能力とコミットメント」を示すと同時に英国の関心を深め、パートナーシップを強化すると述べている。 

その後まもなく、英国はAUKUSと呼ばれるオーストラリアと米国との新たな安全保障条約を締結。オーストラリアは他のパートナー国の支援を受けて原子力潜水艦を開発することになる。オーストラリアは新たに核兵器を所持することはない。 一方、中国を刺激しそうな動きとして、英国の石油天然ガス会社がインドネシア沖での試掘に成功し、生産計画が策定されていると発表した。

 ハーバー・エナジー(Harbour Energy)社はナトゥナ海A鉱区(Natuna Sea Block A)とツナ鉱区(Tuna Block)での試掘が「将来の生産の裏付けとなる」と2021年12月上旬に発表。 インドネシアのメディアによるとインドネシア政府のアップストリーム石油・ガス事業活動に関する特別タスクフォースの副開発専門官であるベニー・ルビアンタラ(Benny Lubiantara)氏が、彼が所属する組織とインドネシアでプレミア石油(Premier Oil)の名称で事業を展開する同社が、2022年1月に開発計画案の議論を開始すると述べている。 

ルビアンタラ氏は「国の石油・天然ガスの埋蔵量の増加に加え、これらの調査結果はインドネシア共和国の領土主権をも強調するものである」と述べている。 

インドネシアの議員が、中国がインドネシアに対しツナ鉱区での石油・天然ガスの掘削を中止するよう要求してきたことを12月上旬に明らかにした。 

この地域はインドネシアの排他的経済水域の中にあり、インドネシアとベトナムの海上国境からの距離は約10海里。中国政府が南シナ海の領有権を広く主張する際に使われるが国際的に認められていない九段線と重なっている。

 2021年9月から10月にかけて、中国の調査船海洋地質10号(Haiyang Dizhi 10)がインドネシアの政府機関の抗議にもかかわらずツナ鉱区付近の海底調査を行った。 

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