オーストラリアでは新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大に歯止めがかからず、濃厚接触者に該当する医療従事者の隔離により医療提供体制の逼迫が深刻化している。写真はシドニーで昨年12月撮影(2022年 ロイター/Nikki Short)

豪州の医療逼迫が深刻化、オミクロン株感染拡大で

[シドニー 11日 ロイター] – オーストラリアでは新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大に歯止めがかからず、濃厚接触者に該当する医療従事者の隔離により医療提供体制の逼迫が深刻化している。

累計感染者約110万人のうち、過去2週間の感染者が半分強を占めるほど感染は急拡大している。11日に報告された新規感染者は、集計がまとまっていない2つの州を除いて8万6000人近くと、過去最多に近い水準が続いている。

ビクトリア州のアンドリュース首相は「州の医療体制は著しく逼迫している」と説明。州内の病院職員約4000人と救急隊員400人が、コロナ規制に従い隔離していると明らかにした。

救急隊員労組の幹部はオーストラリア放送協会(ABC)に対し、同州では10日夜、救急出動要請件数が出動可能な救急車の数を上回る状態が数時間続き、「コードレッド(厳戒警報)」が発動されたと明らかにした。

人口の半数以上を占めるビクトリアとニューサウスウェールズ(NSW)の両州の入院者数は、コロナ禍の最多を記録した。

豪全土のコロナによる入院者数は11日時点で約4000人と、1週間前の2倍近くに増えた。同国では16歳以上の人口の92%強がコロナワクチンの2回接種を終え、ブースター接種も加速している。11日の死者数は集計がまとまっていない州を除いて25人と、漸増傾向にある。

モリソン首相は人手不足によりスーパーの棚が空になっているとの報道がある中、主要業種について無症状のコロナ感染者の隔離ルールを緩和する考えを示している。

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