1月16日、北朝鮮と中国の鉄道を通じた貿易が17日にも再開される――。複数の中国の貿易関係者が明らかにした。クアラルンプールの北朝鮮大使館で2017年3月撮影(2022年 ロイター/Edgar Su)

中朝鉄道貿易が17日に再開か、丹東駅に貨物列車到着

[北京/ソウル 16日 ロイター] – 北朝鮮と中国の鉄道を通じた貿易が17日にも再開される――。複数の中国の貿易関係者が明らかにした。

北朝鮮は、新型コロナウイルスのパンデミックが発生した2020年初め以降、厳しい国境閉鎖措置を続けてきたが、16日になって北朝鮮からの貨物列車が中国国境を超えて遼寧省丹東の丹東駅に到着した。

丹東のある中国貿易業者は「北朝鮮側の取引相手が14日、貨物輸送のために17日に国境が再び開くと教えてくれた。15日までに丹東の貿易業界全体がこの話を聞いており、関係者は商品輸送の手配を開始した」とロイターに語った。

別の中国の貿易業者も、17日に北朝鮮に向かう予定の鉄道に商品の積み込みができるようになったと話した。この業者は16日、駅構内に持ち込んだ荷物の写真をソーシャルメディアに投稿し、運行を再開する丹東・北朝鮮間の鉄道で運ぶ貨物の第1弾が積み込まれつつあると付け加えた。

中国は北朝鮮との国境の再開を正式には発表していない。中国外務省にも国境再開が確かかどうか16日にコメントを求めたが、回答はなかった。

16日の韓国の聯合ニュースは複数の関係者の話として、北朝鮮の貨物列車が丹東に着き、中国との国境を正式に再開したと伝えた。この列車に積み荷があったかどうかは不明だが、17日に「緊急の重要物資」を載せて北朝鮮に戻る公算が大きいという。

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