ドイツのショルツ首相は18日、ロシアがウクライナに侵攻すれば、ドイツはロシア産天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」の停止を検討すると述べた。2020年2月撮影(2022年 ロイター/Maxim Shemetov)

独、ロシアがウクライナ侵攻ならノルドストリーム2停止検討=首相

[ベルリン/モスクワ 18日 ロイター] – ドイツのショルツ首相は18日、ロシアがウクライナに侵攻すれば、ドイツはロシア産天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」の停止を検討すると述べた。

ロシアによるウクライナとの国境沿いでの軍増強を巡り、ロシアと西側諸国は先週、一連の協議を行ったものの議論は平行線をたどり、ショルツ首相はこの日、ベルリンで北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と会談し、次に取るべき措置について協議。記者団のノルドストリーム2に関する質問に対し「ウクライナに対する軍事侵攻が実施されれば、高い代償を払うことになる」と述べた。

ストルテンベルグ事務総長は、NATOロシア理事会を再度開催し、安全保障を巡る状況の改善についてさらに協議することを提案したと表明。「NATO同盟国は軍事行動を巡るリスク軽減と透明性向上のほか、サイバー攻撃の脅威低減に向けた具体的な提案について協議する用意がある」と語った。

ストルテンベルグ氏はこのほか、ロシアが安全保障を要請していることについてNATOが近くロシアに書面で提案を送ると明らかにした。軍縮のほか、軍事活動やミサイル配備などを巡る透明性の向上について、NATOがロシアと真剣に協議する意向であることを伝えるという。

この日はドイツのベーアボック外相がモスクワを訪問し、ロシアのラブロフ外相と会談。ベーアボック外相は会談後の共同記者会見で「エネルギーが武器として利用されている場合、(ノルドストリーム2)パイプラインを巡る代償を払うことになるとドイツは明確に示した」と述べた。

ラブロフ外相は、ノルドストリーム2はドイツのみならず欧州全体のエネルギー安全保障に貢献するとし、「この問題を政治化することは非生産的であると伝えた」と語った。

ベアボック外相は前日にウクライナを訪問し、クレバ外相と会談した。

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