西洋のドラゴンにはなぜ悪の印象が漂うのか

西洋と東洋文化において竜のイメージは大きく違うと言えます。

「Dragon」という言葉は古代ギリシャから由来しました。古代ギリシア語では「drakon」は巨大な海蛇や海の中の怪獣を指します。

古代ギリシャ神話では、竜は主に怪物の姿で現れたり、竜によって守られている貴重な宝物もたくさんありました。その中で最も有名なのはヘラクレスの十二の試練で現れた竜でしょう。

その試練の一つに巨竜ラドンが守っている金のリンゴを盗むことがあります。この竜は数百個もの頭があり、数百個の口がそれぞれ異なる音を出していました。
 

聖書の中の竜、サタンの化身

竜については『新約聖書』の『黙示録』第12章第3、4節に現れています

3また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、大きな、赤い龍がいた。それに七つの頭と十の角とがあり、その頭に七つの冠をかぶっていた」と言及しています

4 「その尾は天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落した。龍は子を産もうとしている女の前に立ち、生れたなら、その子を食い尽そうとかまえていた」

第12章第7節から9節には

7「さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが」

8 「勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった」

9 「この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された」

これらの記述により『聖書』のドラゴンは確かに悪魔とサタンの化身であることがわかります。『黙示録』では、竜は七つの頭、十の角を持ち、七つの頭は七つの大罪を象徴し、十の角は犯す可能性のある十個の小罪を象徴します。この邪悪な竜は人を誘惑して犯罪を犯し、犯罪を犯した罪人は竜と一緒に地獄の底に投げ込まれるのです。

(翻訳・金水静)