アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相は14日、原油価格を押し上げているのはロシアと西側諸国の緊張関係だとの見方を示した。2021年3月撮影(2022年 ロイター/Carlos Osorio)

地政学的緊迫が原油価格上昇の要因=UAEエネルギー相

[カイロ 14日 ロイター] – アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相は14日、原油価格を押し上げているのはロシアと西側諸国の緊張関係であり、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」による増産加速を正当化するような根本的な燃料不足ではないとの見方を示した。

マズルーイ氏はエジプトでの石油業界のイベントで記者団に対し、価格上昇の要因は「需要と供給ではないようだ」とし、「主な上昇要因は地政学的な緊迫で、それが今日の価格の原因となっている」と述べた。

マズルーイ氏は、OPECプラスが毎月実施している日量40万バレルの増産が、石油需要の伸びへの対応に寄与していると主張。OPECプラスが市場にさらに原油を追加すべきかどうかという質問に対しては「もっと増やさなければならないとしたら、ファンダメンタルズやテクニカルデータを見る必要がある」と答えた。

北海ブレント先物は14日に一時1バレル=96ドルを上回り、7年超ぶりの高値を付けた。ロシアがウクライナに侵攻した場合、米欧の制裁により原油輸出が中断される可能性があるとの懸念が背景にある。

国際エネルギー機関(IEA)は先週、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が産油量を増やせば、原油市場が落ち着くとの見解を示していた。

エジプトのテレビ局は14日、IEAのビロル事務局長がOPECプラスに対し、生産を約束した原油量と実際の生産量とのギャップを埋めるよう求めたと報じた。IEAによると、OPECプラスの1月の産油量は目標を日量90万バレル下回った。

マズルーイ氏は、地政学的な問題が原油価格に与える影響の予測は困難であるとしつつ、ロシアがウクライナに侵攻するとは考えていないと語った。ロシアは侵攻する計画はないと主張している。

マズルーイ氏はパネル討議で「言われている以上にエスカレートさせる必要はないと思う。われわれが聞いているのは侵攻の意図はないということで、それは安心感を与えると思う」と訴えた。

マズルーイ氏は、ウクライナ情勢の緊迫によって原油供給が途絶えた場合、生産国には補う能力がないと指摘。ロシアの供給が途絶えれば「(OPECプラスの)どの国もその生産量を代替できない」とコメントした。

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