ウクライナ南部マリウポリ市長の報道官は28日、ロシア軍に包囲されて以降、約5000人が死亡したと明らかにした。27日、マリウポリで撮影(2022 年 ロイター/Alexander Ermochenko)

ウクライナ南部マリウポリ、約5000人死亡 ロ軍の包囲で

[リビウ(ウクライナ)/ローマ 28日 ロイター] – ウクライナ南部マリウポリ市長の報道官は28日、ロシア軍に包囲されて以降、子ども約210人を含む約5000人が死亡したと明らかにした。

さらに、病院や学校、幼稚園や工場を含む市内にある建物の約90%が損傷し、40%が破壊されたとした。

報道官が公表したデータによると、ロシア軍の包囲前にマリウポリから約14万人の市民が脱出。包囲後に約15万人が脱出したが、まだ17万人が市内に取り残されている。

マリウポリのボイチェンコ市長はすでにマリウポリを脱出。「状況況は極めて厳しい。人道的な大惨事の限度を超えている」とし、「マリウポリから全ての市民が完全に避難する必要がある」と述べた。

ただ28日はロシア軍による攻撃の恐れから、マリウポリから市民を避難させるための人道回廊の設置は計画されていない。

この日は首都キエフのクリチコ市長がキエフと姉妹都市契約を結ぶイタリア・フィレンツェの議会向けに演説。ロシアの侵攻開始以来、キエフで少なくとも100人以上の死亡が確認されたほか、82の建物が破壊されたと報告。キエフ市内の実際の死者数の把握は不可能になっていると述べた。

ウクライナ国防省のモツヤニク報道官は、ロシア軍がキエフ包囲を断念した兆候は見られないとしている。

関連記事
4月20日、アメリカ下院は360対58の圧倒的多数で「21世紀の平和実現のための法案」を可決した。同法案は、中国本土系動画配信アプリ「TikTok(ティックトック)」について、運営会社に対し早期の事業売却を求める。
アメリカのマイク・ジョンソン下院議長が中国共産党首魁の習近平、ロシアのプーチン大統領、そしてイランを「悪の枢軸」と呼んだことに対し、在米中国共産党大使館の報道官はメディアの取材で不満を示した。
複数の米政府高官は12日、中国が工作機械や超小型電子機器、ドローン、巡航ミサイルなどの軍事兵器を大量供給することで、ロシアの対ウクライナ軍事行動を支援していると語った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、ダニロフ国家安全保障・国防会議書記を解任した。後任はオレクサンドル・リトビネンコ対外情報局長官。
欧州連合(EU)のオサリバン制裁特使は21日、ウクライナに侵攻したロシア軍を支援する可能性がある製品の中国からの輸出に対処する措置を、同盟国と検討していることを明らかにした。