呼吸が苦しい病中は「うつぶせ寝」が良い

新型コロナウイルス(中共ウイルス)の変異株は、依然として広がりを見せています。

いずれにしても感染予防が第一ですが、もしも感染し、発症したとしても重症化させないことに努めて、安静にお過ごしください。

呼吸の苦しい病中は「うつぶせ寝」を、おすすめします。

米国の医学誌で2020年2月に発表された研究によると、機械通気はウイルス感染後の重症患者の主要な治療方法であるそうです。この「機械通気」とは、重症患者に対して人工呼吸器を装着する、あるいは気管挿管や気道切開なども含む緊急処置をおこなうことを指します。

しかし、この研究報告によると、人工呼吸器をつけて仰臥位(あおむけ)に置かれた患者のうち、延命に成功した患者は多くなかったのです。

もちろん、人工呼吸器を使用している患者の死亡リスクが高い理由は、ほかにもあります。何と言っても、人工呼吸器を使用し始めた時点で、患者はすでに重篤だったのです。

こうした経験をふまえて、現在では、患者を人工呼吸器からできるだけ遠ざけるために他の代替手段を試みています。これには、患者を腹臥位(うつぶせ)にして呼吸を改善する方法が含まれます。

従来の仰臥位での通気に反応しない患者でも、腹臥位での通気が有効なことがあります。なかでも、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の患者に対しては、その死亡率を低下できる可能性があるのです。

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は、低酸素血症を引き起こし、肺に体液がたまる疾患です。
これは新型コロナウイルスに感染した重症患者にも、よく見られる合併症の一つです。

これまでの研究で、仰臥位に比べて、腹臥位のほうが酸素を得やすいことが明らかになっています。また腹臥位は、人工呼吸器による肺への損傷を回避することができるのです。

一方の仰臥位、つまり「あおむけ」は、心臓の重さが肺の下部を圧迫します。また肺の中にたまった体液が背中側に寄ることで、肺の後方が圧迫されてしまうのです。

このように、腹臥位は肺のストレスや疲労の軽減にも役立ちます。

意識不明など重症に至る前の、自発呼吸ができる早期から腹臥位を使用すると良いという研究結果もあります。病院によっては、重度のや呼吸困難がある人が自宅でこの方法をとることができるように、腹臥位(うつぶせ寝)の指示を出すところもあります。

ただし、30分から2時間ごとに、体位を交換してください。それは、腹臥位から体位を変えることで、肺の全ての部分に空気を吸い込むことができるからです。

これは自宅療養中でも呼吸困難の軽減に役立つ、簡単な方法です。
そうなることは極力避けるべきですが、もしもあなたが、あるいはあなたの愛するご家族がそうなった時には、きっと呼吸を楽にする手助けになることでしょう。

(文・Joseph Mercola/翻訳編集・鳥飼聡)