松野博一官房長官は8日の閣議後会見で、ロシア政府から非友好的な国と指定されたことについて「遺憾であり、抗議した」と述べた。写真は2021年10月、東京で撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

非友好国指定で企業に不利益も、ロシアに抗議した=官房長官

[東京 8日 ロイター] – 松野博一官房長官は8日の閣議後会見で、ロシア政府から非友好的な国と指定されたことについて「遺憾であり、抗議した」と述べた。外交ルートを通じ、ロシア側に日本国民や企業の正当な利益が損なわれないように求めたという。

ロシア政府は7日、日本、米国、英国、EU(欧州連合)加盟国などを「非友好的な国・地域」に指定した。松野長官は「日本国民や企業に不利益が生じる可能がある措置をとったことは遺憾であり、抗議をした」と述べた。日本国民や企業への影響については措置の内容を精査中としてコメントを避けた。

政府は7日、ウクライナ情勢が一層緊迫化したことを受け、リビウ連絡事務所に勤務する在ウクライナ大使館員を国外退避させた。同連絡事務所は閉鎖せず、情勢が落ち着き次第、リビウにおける執務を再開する予定という。

松野長官は、現時点までに日本人の生命、身体に被害が及んだという情報には接していないと説明。3月6日時点で確認されている在留日本人は約80人としている。

国際商品市場ではウクライナ情勢などを受けて、ニッケル、アルミニウム、銅といった金属資源の価格が足元で上昇している。松野長官は、企業がかねて調達先の多角化や在庫確保に取り組んでおり、「現時点で直ちに生産に影響を及ぼす状況ではないとの報告を受けている」と語った。政府として引き続き緊張感をもって市場の動向を注視するとともに、金属資源の安定供給の確保に取り組んでいきたいと述べた。

(杉山健太郎)

*内容を追加しました。

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