ベトナムからの便り「荒んだ人生を一変させた本」(1)

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親愛なる日本の皆様へ:
今日は、私の知人のことをお話させていただきます。
ノン・ヴァン・チョン(Nong Van Trung)はベトナム法輪功学習者です。

16歳で麻薬中毒

今年39歳のチョンの人生は、およそ21年間にわたり、暗い闇の中をさまよっていました。

麻薬中毒で生活は荒れ果て、窃盗の罪を犯して刑務所に入りました。しかし、獄中で出会ったある本によって、彼は新しい人生を得ることができたのです。

中国との国境に近い、ベトナム北東部にあるランソン省の田舎町に生まれた彼は、子供の頃から「わるさ」ばかりしていました。ついに16歳の時、窃盗と麻薬中毒のため警察に拘束されます。

まだ少年であったため、刑罰を科せられるのではなく、労働教養施設で更生と治療に専念することになりました。

2年後、彼は出所しましたが、しばらくして再び麻薬に手を伸ばしてしまいます。2005年には2度目の逮捕を経験。その2年後にまた更生施設から出ますが、彼の麻薬中毒は根深く、またしても「再犯」してしまうのです。

両親の必死の願い

2008年、チョンの両親は、彼を中国に送って労働をさせることで、麻薬に接近しやすい環境から離脱させようとしました。しかしベトナムに帰ってくるなり、彼はすぐに麻薬に手を出してしまいます。

両親は、再びチョンを800マイル離れた遠方へ働きに行かせました。働くことで息子が自身を変えることを願ったのです。しかし家に帰ると、彼はやはり麻薬の蟻地獄にはまるのでした。

チョンの父は軍人でした。息子が麻薬中毒になった時、父はそれまでの栄誉ある職務を辞め、小さな食堂を開いて生計を立てました。チョンの母は教師をしていました。

チョンは長男で妹と弟がいましたが、弟は小さい時に亡くなったので、両親はチョンに全てのエネルギーを注ぎ、ゆがんだ人生をなんとか是正することを願ったのです。

ついに刑務所へ入る

チョンは2013年に結婚しました。妻は、彼の苦しい立場を理解していました。やがて2人の子供が生まれ、彼の一家は幸せなはずだったのです。

しかし結婚してからもチョンは狂気のような振る舞いをし、夜になると家を飛び出しました。ときには昼間も、自分の体を制御できません。彼の体が麻薬を渇望していたのです。彼は両親と妻の支えを受けながら、なんとか道を外さずに過ごしていましたが、2017年に父親が亡くなると、その反動が起きました。

彼は、また麻薬を吸ってしまいました。手持ちの金がなくなると、窃盗に走りました。2018年には麻薬密売で再逮捕され、36カ月の禁固刑を言い渡されます。

それは、彼にとって初めての刑務所入りでした。
「いくら止めようとしても、麻薬を止められない」。ただ無力感を感じ、抜け道がないと感じたチョンは、この苦しみの人生から抜け出すことだけを望んでいました。

獄中で「奇跡の本」と出会う

2019年1月中旬、チョンが刑務所にいた時のことです。
「これ、読んでみるか」。クアンニン省から来たという同房の囚人が、彼にベトナム語版の『法輪功』と『転法輪』という二冊の本を渡しました。

「獄友」から受け取った本を開くと、まず「真・善・忍」の3文字が目に入りました。

彼は、初めて見るこれらの言葉に特別な意味があることを発見しました。始めは好奇心からでしたが、自分がこれまで求めてきた難題の答えが見つかるかもしれないと思い、続けて読み進めたのです。

チョンは初め、法輪功(ファルンゴン)が何であるか全く知りませんでした。

ただ彼は、「なぜ自分が、今までこのような苦難をさんざん経験したのか」という答えを、その本のなかに見つけたのです。同時に彼は、その過程がどんなに狂気じみていても、心の底から自分を助け、見守ってくれる不思議な存在を常に感じていたのを思い出しました。
 

人生の道を見つける

刑務所にいた彼には、塀の外のことが分かるはずもありません。
ベトナムだけでなく、世界の各国各地で法輪大法(法輪功に同じ)は歓迎され、広まっていたことを彼は知りませんでした。ただ、法輪大法が最初に洪法された中国では、法輪功学習者は理不尽で残酷な迫害を受けています。

彼は出所するまでの間に、何度もこの本を読みました。

彼は『転法輪』を読むことを通じて、全ての疑問が解けるとともに、「家に帰る道(本来の自分に戻る道)」を見つけました。そうなると、彼はできるだけ早く出所して、法輪功の「5つの功法」を学びたいと熱望するようになりました。

チョンは『転法輪』という本を読んで、実際に良い人になる方法を知るとともに、悪事をはたらくとどれだけ他人の害になるか、悪いことをすれば自身が失うものは何かを理解したのです。

彼は、自分が過去に犯した多くの罪を深く後悔し、これからの人生でその損失を埋めようと思いました。

(続く)

(翻訳編集・鳥飼聡)