3月16日、NHKと毎日新聞は、日本政府がウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対する追加の制裁措置として、貿易上の優遇措置などを保障する「最恵国待遇」を停止する方針を固めたと報じた。写真は国会議事堂。都内で2016年2月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

日本政府、ロシアへの「最恵国待遇」停止の方針固める=関係筋

[東京 16日 ロイター] – 政府はウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対する追加の制裁措置として、貿易上の優遇措置などを保障する「最恵国待遇」を停止する。事情を知る複数の関係筋が明らかにした。

バイデン米大統領は11日、ロシアとの「恒久的正常貿易関係(PNTR)」を無効とし、世界貿易機関(WTO)ルールに基づくロシアの最恵国待遇を撤回すると表明。日本など主要国7国(G7)も撤回するよう努めるなどとした声明を発表した。全ての制裁措置や輸出規制によってロシア経済に圧力を掛けると言明していた。

毎日新聞は、最恵国待遇からロシアを排除し、水産物の関税率を引き上げる方針と報道。必要な改正法案を今国会に提出、成立を目指すと伝えている。NHKによると、岸田文雄首相が16日にも発表する見通し。

農林水産省によると、日本が2021年に輸入したウニのうち、数量ベースでロシア産は約81%、カニは約47%だった。

(杉山健太郎、竹本能文、小宮貫太郎)

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