国際通貨基金(IMF)は15日、ロシアのウクライナ軍事侵攻は成長鈍化とインフレ高進という形で世界経済全体に影響を与えるとし、長期的には世界経済の秩序を根本的に変える可能性があるとの見方を示した。写真はIMF本部、2016年10月(2022年 ロイター/Yuri Gripas)

ウクライナ侵攻、世界経済の秩序根本的に変える可能性=IMF

[ワシントン 15日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)は15日、ロシアのウクライナ軍事侵攻は成長鈍化とインフレ高進という形で世界経済全体に影響を与えるとし、長期的には世界経済の秩序を根本的に変える可能性があるとの見方を示した。

IMFはウェブサイトに掲載した声明で、今回の危機は人的被害や歴史的水準の難民に加え、食糧やエネルギーの価格を押し上げ、物価上昇や所得減少を引き起こし、ウクライナ周辺国の貿易やサプライチェーン(供給網)、資金のやり取りを混乱させていると指摘した。

企業信頼感は損なわれ、投資家の間で不透明感が高まり、資産価格の下落や資金調達状況の引き締め、新興国からの資本流出につながる恐れがあると説明した。

「この紛争は世界経済への大きな打撃であり、成長を阻害し、物価を上昇させる」と懸念を示した。

IMFは、2022年の世界経済成長率予想について、従来の4.4%から引き下げる可能性があるとしている。15日の声明では地域別の成長率予測の下方修正の可能性も示唆した。

IMFは4月19日に最新の予測を公表する。

関連記事
4月20日、アメリカ下院は360対58の圧倒的多数で「21世紀の平和実現のための法案」を可決した。同法案は、中国本土系動画配信アプリ「TikTok(ティックトック)」について、運営会社に対し早期の事業売却を求める。
アメリカのマイク・ジョンソン下院議長が中国共産党首魁の習近平、ロシアのプーチン大統領、そしてイランを「悪の枢軸」と呼んだことに対し、在米中国共産党大使館の報道官はメディアの取材で不満を示した。
複数の米政府高官は12日、中国が工作機械や超小型電子機器、ドローン、巡航ミサイルなどの軍事兵器を大量供給することで、ロシアの対ウクライナ軍事行動を支援していると語った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、ダニロフ国家安全保障・国防会議書記を解任した。後任はオレクサンドル・リトビネンコ対外情報局長官。
欧州連合(EU)のオサリバン制裁特使は21日、ウクライナに侵攻したロシア軍を支援する可能性がある製品の中国からの輸出に対処する措置を、同盟国と検討していることを明らかにした。