果物をたくさん食べれば健康になれるのでしょうか? 果物の消費に関する7つの神話。(Shutterstock)

果物の皮を剥いてそのまま食べるのは間違い!果物の7つの間違った食べ方

果物にはビタミンやミネラル、ファイトケミカルが含まれており、現代人の多くが注目しているがん予防や炎症対策、免疫力アップに役立っています。あなたは正しく食べていますか?

 

果物の食べ方に関する7つの誤解

 

1 果物は栄養価が高いので、たくさん食べても問題ない?

現代の農業技術によって果物は更に甘くなり、無意識のうちに摂り過ぎてしまう人が多いです。ダイエットのために食事を抜いて、代わりに果物を多く食べる人もいるくらいです。

しかし、果物の食べ過ぎは血糖値に影響するだけでなく、肥満や脂肪肝の原因になることもあります。

肝臓は余分な血糖を肝糖に変えて貯蔵するため、脂肪肝になる可能性があります。また、果物の食べ過ぎは肥満の原因になるので、1食につき果物1つを目安にし、食べ過ぎないようにしましょう。

また、ご飯を果物で代用するのは、でんぷんの代用にはならないので、おすすめできません。 減量は、全体のカロリーをコントロールし、バランスのとれた食事を取り入れることで、長期的な体重減少を実現することができます。

2 血糖値に問題がある人は、甘くない果物なら食べても良い?

果物を買うとき、「この果物はとても甘いですよ」と売り手がお勧めしてくることがあるでしょう。確かに甘い果物はおいしいのですが、高血糖の人はおそらく甘すぎない果物を選ぶのではないでしょうか。

実は、果物の甘さと糖分の量、つまりグリセミック指数(GI値)には等価性がありません。ある専門家によると、甘い果物ほど糖質が高いわけではなく、味に関係なく1人分(1握りこぶし=お茶碗半分〜8分目)の果物で15gの糖質が含まれているそうです。

そのため、血糖値が気になる人は、GI値の低い果物を選ぶとよいでしょう。同じ量の果物でも、低GI値の果物は他の果物に比べて血糖値を安定させることができます。

低GI食品(GI値≦55):ミニトマト、りんご、グアバ、オレンジ、ミカン、パパイヤ、チェリー、梨、グレープフルーツ、キウイ、いちご。

中~高GI食品(GI値>55):熟したバナナ、メロン、パイナップル、ブドウ、マクワウリ、スイカ、マンゴー、ライチ、竜眼、釈迦頭(バンレイシ)など。

また専門家は、糖尿病患者は果物を一度に食べる量を1食分に制限し、果物を食べた後に血糖値を測定することを提案しています。また食後と食前の血糖値の差は30〜60mg/dlが好ましいそうです。食後に果物を食べると血糖値が上がりすぎる場合は、血糖値の状況に合わせて0.5~1食分に減らすことをお勧めします。

 

果物の甘さは、糖質が高いという意味ではありません。(Shutterstock)

 

3.作りたてのフルーツジュースは果物の代わりになる?

作りたてのフルーツジュースはとてもおいしいです。特に、さまざまなフルーツの栄養素を1杯で摂取できるミックスジュースは、とてもおすすめです。しかし、Cofitの栄養士である張宜婷さんは、フルーツジュースを飲むことと果物を食べることは同じではないと言っています。

果汁に含まれる栄養素や食物繊維が変化して栄養価が下がり、またジュースに含まれる果物の量は通常、1日を通して必要な量よりも多くなってしまうのです。果物を食べずにフルーツジュースを飲むと、果物の摂りすぎになりやすく、肥満や脂肪肝などの原因になります。

4.野菜が苦手な人は果物で代用できる?

ニンジン、セロリ、ピーマン、ゴーヤなど、特定の野菜の味が苦手な人、あるいは野菜は苦手でも果物は好きな人は多いです。

専門家は、栄養価、カロリー、体内代謝など、野菜は果物とは異なる食品であることを指摘しています。したがって、果物は野菜の摂取に取って代わることはできず、どちらも同じくらい重要なのです。

 

野菜も果物もバランスよく摂取することが大切です。(Shutterstock)

 

5.バナナやオレンジなどの果物は、洗わずに直接皮をむいて食べてもいいのでしょうか?

バナナは必ず皮をむいて食べるものです。しかし、農薬を摂取する原因になることがあるので注意しましょう。

林口長庚病院毒物科の顔宗海さんによると、バナナ、オレンジ、ライチなど皮をむく必要がある果物は、必ず洗ってから皮をむくようにとのことです。残留農薬は果実の皮に付着しており、手で皮をむき、その手で果肉を食べると農薬を食してしまいます。

食べる前に、野菜や果物を浸して洗い、農薬を除去しましょう。流水に10分ほど浸し、皮に凹凸がある場合は柔らかいブラシで洗います。また、バナナやオレンジ、ライチなどは、できれば少し水に浸けてから食べるとより安心です。

また顔宗海さんは、農薬を落とすために、塩、果物や野菜の洗剤、酢、重曹、お米のとぎ汁などを使う人もいますが、どれも効果的ではないと言います。例えば、果物や野菜用の洗剤は、すすぎが不十分だと界面活性剤が残ってしまいます。そのため、残留農薬の低減には、浸け置き洗いや流水での洗浄が最も効果的です。

6.果物の皮をむけば、農薬を食べてしまう心配はない?

ほとんどの果物は、皮をむけば皮についた農薬を食べずにすみますが、だからといって安心して食べていいわけではありません。

接触性農薬はほとんどが水溶性で、洗えば落ちますが、浸透性農薬は植物の根茎から吸収されるため、果実を洗って皮を剥いても農薬の除去にはあまり役に立ちません。

顔宗海さんは、農薬には休薬期間があると指摘しています。散布後、2〜3週間経たないと収穫できないものがあるのです。浸透性農薬の摂取を防ぐには、農家に農薬の適正使用を求めるだけでなく、一般の人も、収穫や植え付けを急いだ野菜や果物は購入しないことが重要です。農薬散布後の安全な収穫時期が無視されがちな、駆け込み収穫・駆け込み栽培の野菜は、残留農薬が多く残ってしまうと説明しています。

野菜や果物は旬のものを食べたほうが、値段も安く、農薬の使用量も少ないので、おすすめです。台風や大雨の前後には、まず根菜類や冷凍野菜がおすすめです。

果物の皮には栄養価の高いものがあり、例えばリンゴの皮には多くの良質な栄養素や食物繊維が含まれています。「栄養士の食卓」のコンサルタント栄養士である梁家瑋さんは、皮をむいたリンゴを食べるべき高齢者と3歳以下の子供を除き、一般の人はリンゴを水に浸して洗い、皮ごと食べるとよいと述べています。

 

りんごの皮には、良質な栄養素や食物繊維が多く含まれていて、果肉と一緒に食べることができます。(Shutterstock)

 

7.果物の一部が腐っていた場合、腐った部分を切り取って残りは食べられる?

実が一部腐っていたり、カビが生えていたりすると、その部分を切り取って残った果肉を食べる人もいますが、それでは肉眼では見えないカビも食べることになります。

腐っていたり、カビが生えていたりする場合は、実ごと捨てるのが正しい方法です。張宜婷氏は、カビがあった際、すでに果実全体に浸透している可能性があると説明しています。傷んですぐの果物は、傷んだ部分を切り取って食べられます。 

(翻訳・香原咲)

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