「ダヴィッドの肖像画」(ジェローム=マルタン・ラングロワ作)(パブリックドメイン)

【芸術秘話】影に溶け込むダヴィッドの自画像

画家本人より自画像をうまく描ける人はいません。

ジャック=ルイ・ダヴィッドはフランス歴史の激動期に活躍した、新古典主義の画家であり、ナポレオンの首席画家でもありました。ダヴィッドは大規模な歴史画を得意とするだけでなく、肖像画もずば抜けていて、人物の特徴や品格を精確に把握し、それを絵画に表現することができます。

周知のように、芸術家たちは自分を表現したがります。ダヴィッドも例外ではありません。何枚も自画像を描きましたが、しかし、一般の画家と異なり、自分の顔を影に溶け込ませているのです。

▶ 続きを読む
関連記事
19世紀の「アカデミック美術」に反対したり、批判したりする芸術家の主張をよく耳にします。まるでアカデミック美術 […]