今日では、ピラミッドはルーヴル美術館の重要なシンボルとなっている。(Shutterstock)

【芸術秘話】ルーヴル美術館のピラミッド騒動(上)

1984年1月23日、人であふれかえった会議室の中、中国系アメリカ人建築家のイオ・ミン・ペイ氏は最新の設計図の公開のために準備をしていました。物音ひとつ立たない会議室にはどこか重々しくて、奇妙な雰囲気が漂っていました。

映写機を通して最初の画像が投写された瞬間、観客席から一気に笑い声や罵りが混じったブーイングが上がりました。ペイ氏の顔からいつもの笑顔が消えました。彼はどういうことだと通訳の女性に尋ねました。次から次へと上がってくる非難とけん責の声に、通訳の女性は涙があふれそうでした。明らかにフランス人はペイ氏の設計を受け入れられなかったのです。

 

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