IEA 自身が発表した数字を見ると、ポスト化石燃料の未来では、生産するエネルギー量に比べ、莫大な量の資本、労働力、土地を必要としており、これは再エネの劣勢を証明していることになる。参考写真(Mario Tama/Getty Images)

米下院、燃料価格便乗値上げ対策法案を可決

ガソリン価格が高騰する中、5月19日下院は、「消費者燃料価格便乗値上げ防止法」を217対207で可決した。これはエネルギー市場への政府の関与をより強めるものである。

この法案(H.R.7688)は、バイデン大統領に 「エネルギー緊急事態」の宣言を認めた。

このような緊急事態は「破格の高値で」、あるいは「エネルギー緊急事態を悪用して不当に価格を吊り上げて」燃料を販売する人々を標的にする権限を、連邦取引委員会(FTC)に与えることになる。

大統領による緊急事態宣言は30日間続くが、「大統領が適切と考える限り」無期限に更新される可能性がある。

また、この法案では、消費者向けに年間5億ドル以上の燃料販売をする企業に対して、FTCが優先的に強制措置を行うことを許している。

民主党の217名が法案に賛成したのに対し、共和党の203名と民主党の4名が反対票を投じた。

討論会では、記録的なガソリン価格の高騰の原因をめぐって、民主党と共和党が激突した。

共和党は、バイデン政権下での国内エネルギーに課した新たな規制や決定を強調したが、民主党は、記録的なエネルギー価格は石油・ガス会社にとり何十億ドルもの利益を伴っていると指摘した。

この法案を支持するラシダ・テゥライブ氏(民主党)は「我々の住民は企業の強欲さにうんざりしている」と、シェルシェブロンなど様々な大手石油会社の2021年の利益を記載した大きなポスターの前で演説を行った。

ジョン・ジョイス議員(共和党)は、「社会主義的価格統制」と書かれたポスターの前で語った。そのポスターには、1970年代の石油危機に対応するため米国が導入した価格統制の結果、ガソリンスタンド前にできた長い車の列が映っていた。「減産と大量のガソリン不足を招くような価格統制を行うのではなく、ペンシルバニアの有権者の足元にあるエネルギーに頼る必要がある」とジョイス氏は述べた。

米国石油ガス協会のティム・スチュワート会長は、法案の文言は曖昧で、厄介な先例を作ることになると述べた。

「この稚拙な法案は、ガソリンやディーゼル燃料が『破格の高値』であると宣言し、ガソリンスタンドが『便乗値上げ』していると判断する裁量権を、大統領に与えるものである。これらの用語は定義されていないので、大統領の言うことは何でもありで、これらの価格統制は無期限に続けられる」と、スチュワート氏は大紀元に語った。

「破格の高値を今日はガソリン価格、明日は、小麦、医療、住宅などと何にでも適用される恐れがある。全ての産業と市場に警鐘を鳴らすべきである」と述べた。

ハーバード大学のラリー・サマーズ教授やオバマ政権の元経済学者ジェイソン・ファーマン氏ら民主党の著名な経済学者もこの法案に懸念を示しており、ファーマン氏はツイッターで「危険で見当違い」と語った。

ジョー・マンチン上院議員(民)とカーステン・シネマ上院議員(民)は、「この上院法案にどう投票するつもりなのか」という報道機関の質問には応じなかった。

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