不眠生活から脱出 快眠に誘う6つの栄養素(1)

不眠は多くの人の悩みですが、食事でトリプトファン、ビタミンB群、善玉菌など睡眠に役立つ6つの栄養素を補うことで、メラトニンが自然に合成され、ストレスを解消して睡眠を促すことができます。
 

トリプトファンは、睡眠に重要な栄養素であるメラトニンを合成する

睡眠に重要な栄養素は、トリプトファンです。トリプトファンは、体内でメラトニンの合成を誘導し、睡眠を助け、ストレスを和らげます。しかし、トリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸であるため、食事から摂取する必要があり、その多くはタンパク質を多く含む食品に含まれています。

寝る前に牛乳を飲んだらよく眠れると、子供の頃から言われてきました。たしかに牛乳はトリプトファンを多く含む食品ですが、栄養士の陳小薇さん(食品科学博士)によると、トリプトファンの代謝には時間がかかり、就寝前に飲んでもすぐに効果が出るわけではないので、トリプトファンは牛乳で眠れる主な原因ではないそうです。牛乳が即効性のある睡眠導入剤である最大の理由は、体をリラックスさせるカルシウムが含まれているためです。

寝る前のバナナも同じです。バナナにはトリプトファンが含まれていると言われていますが、実はバナナには神経を安定させる栄養素であるカルシウムやカリウムが含まれており、トリプトファンはほとんど含まれていないのだそうです。

トリプトファンで眠れるようにするには、トリプトファンを含む食品を多く摂る必要があります。一般的な食品は以下の通りです。

野菜(mg/100g、以下同じ):かぼちゃの種590mg、大豆製品(豆乳、豆腐)530~590mg、白ごま460mg、黒ごま390mg、黒豆380mg、のり360mg、カシューナッツ340mg、小麦胚芽320mg、ひまわりの種300mg、蓮根280mg、ピーナッツ265mg、オート麦230mg、 オーツ麦 230mg。

魚:タラ700mg、マグロ320mg、サーモン220mg。

肉類:七面鳥490mg、豚赤身肉340mg、鶏ロース333mg、鶏胸肉330mg、牛すじ300mg、豚コマ250mg、鶏肉240mg、牛肉230mg、ラム肉210mg。

牛乳、乳製品:パルメザンチーズ560mg、チェダーチーズ320mg、牛乳80mg。

 

豆腐やタラには、トリプトファンが多く含まれています。 (Shutterstock)

 

天然のビタミンB複合体サプリメント 神経を鎮静化し、メラトニンの合成を助ける

ビタミンB群はエネルギービタミンとも呼ばれ、疲労を軽減し、神経を落ち着かせ、メラトニンの合成を助ける働きがあることで知られています。

ビタミンB6は、トリプトファンをメラトニンに変換するのをサポートします。また、B1、B2、B6は、気分を調整する「幸せホルモン」セロトニンの合成を助け、幸福感やリラックス感を与え、寝つきをよくします。

アルコールは睡眠に影響を与えるだけでなく、体内でメラトニンを合成する経路からビタミンB 群を奪ってしまうので、よく眠りたいならお酒は控えたほうがよいでしょう。このため、仕事上の付き合いがある方は、ビタミンB複合体のサプリメントを余分に摂取することをお勧めします。

ビタミンB複合体の供給源は全粒粉、レバー、濃い緑色の野菜、キヌア、卵などです。

(翻訳・千景)

蘇冠米