早歩きは脳卒中のリスクを減らす可能性があります。(Shutterstock)

「毎日歩こう7000歩!」がん予防から老化防止まで(1)

「歩くことは健康に良い」は、すでに多くの研究で実証されています。

しかし、ただ歩くだけで、人が必要とする運動量は十分なのでしょうか。

 

「よく歩く」で得られる5つの利点

ハーバード医学院(ハーバード大学メディカルスクール)によると、「歩くことには、意外な5つの利点がある」と言います。

その「5つの利点」とは、以下の通りです。

 

1、体重増加を抑制する

歩くことで、体重を増加させる遺伝子(weight-promoting genes)の働きを打ち消すことができます。

1万2000人を超える被験者の体重増加遺伝子を調査したところ、「1日に1時間、早足で歩く人は、体重増加遺伝子の影響が半減する」ということをハーバード大学の研究者が発見しています。

2、「甘いものへの欲求」を制限

歩くことで「あらゆる種類の甘いものが食べたくなる欲求」を減らすことができます。これは、ダイエットにも役立ちます。

チョコレートを例にすると、15分歩くことにより「チョコレートを食べたい欲求」が抑えられる上、ストレスに負けて食べたチョコレートの量も減らすことができるという研究結果が、英エクセター大学によって出されています。

 

3、膝関節を強化する

ウォーキングは、基本的な運動ですが、週に5~6マイル(8~9.6キロ)歩くだけでも、膝関節に関連する痛みを予防および軽減することができます。

歩くことで関節を滑らかにし、関節を支える周囲の筋肉を強化することができます。それによって足の関節、特に痛みが起こりやすい膝や股関節を保護できるのです。

4、免疫力を高める

生活の中でたくさん歩くことは、免疫力を高めることにもつながります。

1000人以上の男女を対象にした研究によると、1日20分以上、週に5日以上ウォーキングしている人は、週に1回以下の人に比べて、「病気を理由とする欠勤・欠席」の日数が43%少なかったと言います。

これは、「よく歩く人は、病気になりにくい」と理解してよい結果ではないでしょうか。こうした人は、総じて病気が治るまでの期間が短く、症状も軽くて済みます。

5、乳がんリスクの軽減

よく歩くことは、女性が乳がんになるリスクを減らすのにも役立ちます。

米国がん学会(American Association for Cancer Association)のウォーキングに関する研究によると、歩く時間が週7時間以上の女性は、週3時間未満である女性に比べて、乳がんになるリスクが14%低いことが分かりました。

体重過多の女性や、女性ホルモンの一種であるエストロゲンを服用している女性など、乳がんリスクが高い女性でも、よく歩く習慣をもつことで乳がん予防の効果が得られます。

女性の乳がんリスクを減らすなど、歩く習慣をもつことには「5つの利点」があります。(Shutterstock)

(次稿に続く)

(翻訳編集・鳥飼聡)

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