債務不履行多発の中国不動産開発業界、氷河期を迎えるか(MARK RALSTON/AFP/Getty Images)

「融資受けられず」 広東省不動産企業団体、規制緩和要求

広東省の不動産会社で構成する企業団体、広東省地産商会はこのほど、省政府に宛てた書簡の中で深刻な資金調達難を訴えた。同団体は、地方政府の値下げ禁止令で、住宅の販売価格を下げて資金難を乗り越えたい企業はさらなる苦境に陥ったと不満をあらわにした。

昨年、恒大集団などの巨額債務を抱えた不動産大手が相次いで経営危機に陥り、中国の不動産市場は急速に冷え込んだ。国家統計局が公表した4月の主要70都市の住宅価格指数では、前年同月比で47都市が下落した。3月の住宅価格が下落した38都市から9都市増えた。中国政府は不動産市場振興のため、今年4月以降、100以上の都市で住宅の売買規制を緩和した。

いっぽう、広東省地産商会が6日省政府に出した意見書は、地元の不動産企業が「融資を受けられず、資金を回収できず、販売できず、収益を得られず、債務返済もできない」と窮状を訴えた。

意見書は、一部の地方政府が不動産市場の更なる低迷を防ぐために実施した住宅価格の値下げ禁止令について、経営危機からの脱出を図る不動産企業の「自救行為に影響を与えた」と指摘した。不動産企業は中小都市の住宅在庫を早期に減らし、資金を確保するために価格を下げている。

同団体は、不動産企業に対する各規制や資金調達条件の緩和、法人税率の引き下げなどを求めた。

在米経済学者の李恒青氏は、「中国の金融機関や関連政策は基本的に国有企業を優遇している。景気が悪化する中、民間企業が政府に規制緩和や振興策を期待しても最終的に失望するしかない」と指摘した。

李氏は、現在、中国の不動産企業の最大の課題は「融資を受けられないことだ」と示した。

 

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