にんじんを盗み食いしているピーターラビット(『ピーターラビットのおはなし』より:パブリックドメイン)

ピーターラビットとポターさん

青色のジャケットに茶色の靴をはいているピーターラビットは世界文学、特に世界児童文学史上最も著名なウサギで、イギリスの絵本作家ヘレン・ビアトリクス・ポター(Helen Beatrix Potter)によって生み出されました。

1902年、『ピーターラビットのおはなし』(第1作)がイギリスで出版され、キャラクターのピーターラビットは初めて子どもたちの世界に踏み入りました。初版はわずか2万8千部しか発行されなかったこの絵本は、2020年の時には、発行部数はすでに全世界で4500万部を達成し、そして、ピーターラビットシリーズ累計発行部数は全世界で2億5000万部を突破したのです。30種以上の言語に翻訳されていて、世界中の子供や大人たちに愛され続けており、今では、この青いジャケットを着たウサギを知らない人はほとんどいないでしょう。

 

『ピーターラビットのおはなし』よりピーターと家族(パブリックドメイン)

 

ピーターラビットの生みの親であるポターは1866年にイギリスで生まれ、正規の学校に通ったことがなく、家庭教育のみ受けていました。それにもかかわらず、ポターは非常にかわいらしいキャラクターを次から次へと創作し出したのです。

実は、ポターは絵本作家であるだけでなく、科学者でもあります。彼女は菌類、キノコに興味を持ち、精緻なキノコのスケッチを描き続け、観察・研究していました。

幼いころから田園で育ったポターは故郷の自然風景をこよなく愛しています。当時、イギリスの産業と旅行業の発展が湖周辺の自然環境に影響を及ばさないかと心配したポターは印税などの収入を土地や農場購入などに費やし、自然保護に努めました。

1943年、77歳のポターはすでに4000エーカー以上の土地を有しており、そして、この美しい大自然が永遠に残るよう、すべてを歴史的名所や自然的景勝地の保護を主旨としているナショナル・トラストに寄付しました。

(翻訳編集 天野秀)

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