おいしいイチゴを選ぶ3つのコツ 豊富な栄養を逃がさない洗い方

イチゴは柑橘類やグレープフルーツの2倍のビタミンCを含み、「フルーツ界のプリンセス」「ビタミンCの王様」と呼ばれ、抗酸化作用や免疫力を高める作用があります。イチゴのカロリーと糖分はバナナの1/3、リンゴの1/2しかなく、ビタミンや微量元素は豊富で、ダイエットやアンチエイジングがん予防に最適です。しかし、イチゴは保存がきかず、栄養が失われやすいという欠点があります。今回は、新鮮でおいしいイチゴの選び方や楽しみ方のコツを紹介します。

イチゴには有効な栄養素がたくさん含まれている

イチゴには、ビタミンCのほかにも、体に大きな影響を与える次のような栄養素が含まれています。

アントシアニン

イチゴには、赤い色素成分であるアントシアニンが含まれており、ポリフェノールの一種で、目の疲労回復、活性酸素の低減、がん予防に効果があります。

食物繊維:

イチゴには水溶性食物繊維が0.5g、不溶性食物繊維が0.9g含まれており、腸内環境の改善や弛緩作用、心筋梗塞の予防や血糖値の上昇を緩やかにする効果があるとされています。

カリウム:

カリウムはイチゴに最も多く含まれる栄養素の一つで、むくみや高血圧の予防に効果的です。

葉酸:

イチゴ100gあたりの含有量は90μgで、貧血の予防や改善、記憶力の低下や物忘れの防止に役立ちます。葉酸は、妊娠を準備する女性や妊婦さんにとって重要な栄養素です。

失敗しないおいしいイチゴ選びの3つのポイント

今が旬のイチゴ。新鮮でおいしいイチゴの選び方を専門家が3つ紹介します。

1.色よりもツヤを見る

日本の農業生産法人であるGRAの勝部達也代表取締役は、「濃い赤色のイチゴは甘い」と思われがちだが、イチゴで最も重要なのは「光沢」であり、濃い赤色だからといって必ずしも熟しているとは限らないと言っています。イチゴの赤い色は、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種であるアントシアニンの色で、甘さとは関係ありません。外観にツヤのあるイチゴは、新鮮で完熟しており、最も良い状態です。

2.平らなイチゴはより甘い

管理栄養士で東京慈恵会医科大学の食の専門家である赤石貞典博士によると、平たいイチゴは尖ったイチゴより甘いそうです。イチゴの糖度は産地によって異なり、先端とへたの部分で2~3度の差があり、時間が経つにつれて糖度が高くなります。

3. 表面のつぶつぶの間隔が離れているほど良い

岐阜県羽島市の奥田農園の奥田干雄さんによると、つぶつぶの間隔が離れているほどイチゴが成熟して膨らむといいます。

イチゴの栄養を最大限に保持する1つのポイント

イチゴの栄養を余すところなく摂取するには、もちろん生で食べること。新鮮なイチゴを選び、さっと水洗いして、練乳や砂糖を使わずに生で食べるのがポイントです。

残留農薬を防ぐため、台湾の消費者委員会は、イチゴを食べる前に流水で10〜15分洗い、その後個別に水洗いをすることを勧めています。

洗うときに緑の葉やヘタを1つ1つ取り除く人が多いのですが、これでは栄養が失われてしまいます。日本の栄養士、小島絵美さんは、イチゴは葉を取らずに一緒に洗い、食べる前に葉を取るようを勧めています。

包丁で葉を取り除くと、栄養分が失われることがあるので、おすすめしません。

 

ビタミンCはイチゴの葉の下の方に多く含まれているため、洗うときは葉を取り除かないようにしましょう。 (Shutterstock)

 

イチゴをより甘く食べる2つの方法

イチゴをより甘く食べる方法として、管理栄養士の藤橋瞳さんは2つの方法を提案しています。

縦に切る:

「イチゴ」は先端から熟していくので、へたに近い下の部分より、先端の方が甘くなります。 調理用にイチゴをカットする際は、味を均一にするために、へたを取り、縦にカットすると良いでしょう。

イチゴは常温で置いてから食べる:

人間の味覚は温度によって変化するので、常温で置いてから食べた方が甘さを感じやすくなります。

生のイチゴは1日に何個食べればいい?

栄養価の高いイチゴですが、たくさん食べればいいというものではありません。イチゴには果糖が含まれており、果糖を摂り過ぎると、やはり中性脂肪が上昇する可能性があります。

参考までに、日本の厚生労働省が推奨する1日の果物の摂取量は200gなので、中くらいの大きさのイチゴが15gだとすると、13個くらい食べれば足りるそうです。

また、腎臓病の方など、薬を服用されている方は、イチゴを食べるのが適切かどうか医師にご相談ください。

アントシアニンを増やすための食事

イチゴを生で食べるには味気ない、味を変えたい、でも栄養面では妥協したくないという方も多いのではないでしょうか。

イチゴは全乳と混ぜてイチゴミルクやスムージーにしたり、イチゴの上に練乳をのせて食べたりできます。ただし、練乳はカロリーが高いので、入れすぎに注意しましょう。

【ストロベリー・スムージー レシピ】

調理時間: 5分(冷やす時間は含まず)
材料: 2人分

*冷凍イチゴ 200g
*全乳 300ml
*砂糖 大さじ1(お好みで調節してください)

作り方:3つの材料をミキサーに入れ、混ぜます。

冷凍イチゴは、自然解凍するとビタミンが失われます。ストロベリースムージーでは解凍する必要がなく、そのまま使用することができます。また、脂肪分の多い牛乳と組み合わせることで、アントシアニンをしっかり摂取できるのもメリットです。

 

イチゴを全乳と混ぜてイチゴミルクやスムージーにすると、アントシアニンの吸収率が高まります。 (Shutterstock)

 

イチゴの保存方法

新鮮なうちにイチゴを食べられない場合は、冷蔵庫で保存してください。保存する前にイチゴは洗わず、ヘタを下にして重ならないよう並べて容器に入れ、蓋をします。ただし、なるべく早く食べましょう。

近日中に食べきれないほどのイチゴがあるのなら、冷凍保存するとよいでしょう。方法は、洗ったイチゴからヘタを取り除き、軽く水気を切ってビニール袋に入れます。冷凍イチゴは1ヶ月以内に食べるのがベストです。

冷凍イチゴはいつでも楽しめるのが魅力ですが、きちんとした食べ方が必要です。解凍して食べる場合、自然冷凍すると細胞組織が破壊されやすく、解凍の際、栄養素が失われやすいため、急速冷凍するのが一番です。冷凍イチゴはミルクや練乳と混ぜてスムージーにしたり、ジャムとして食べることができます。

(翻訳・里見雨禾)

蔡雅