キノコがもつ8種の薬用効果「がん予防から体内解毒まで」(1)

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キノコには、さまざまな色や形があります。
有機物の豊富な温かく湿った土壌で最もよく育つキノコ類は、言わば「森のリサイクル業者」。このキノコがいるからこそ、死んだ生命が分解されて土に帰り、その土から新たな生命が再生されるのです。

整った自然環境が生み出す「森の恵み」

キノコは真菌です。その繁殖は種子ではなく、胞子によって行われます。
彼らは植物のような葉緑素をもたないため、自分で光合成をすることはできません。成長に必要な栄養分は、菌糸体という「根」を通じて、すべて土壌や朽ち木から得なければならないのです。

そのため、キノコの繁殖地は、各種類のキノコに適した条件によって、それぞれ決められることになります。例えば高価なマツタケは、それが繁殖できる条件が全て整った希少な環境でこそ、ようやく生まれるものなのです。

地球上に、いったい何種類のキノコが存在するのか、実はまだ分かっていません。

これまで学術的に確認された真菌は、約12万種と言われています。そのうち、いわゆる「毒キノコ」と呼ばれるものは2%ほどで、他のほとんどの種類は無毒です。それらを食べても特に危険なことはありませんが、どれも不快な味がするため、実際に食用となるのはごくわずかです。本当においしいキノコは、実は20種類くらいしかないのです。

食材であり、薬材でもあるキノコ

何千年もの間、キノコは世界中の文化のなかで、人と深いかかわりをもってきました。

特に東洋の国々においては、特定のキノコを病気治療や不老長寿に効能がある生薬として珍重してきたのです。実際、これらのキノコは優れた薬効をもつことにより、伝統的な漢方医学やインドアーユルベーダ医学では、今も広く利用されています。

中国最古の薬典である『神農本草経』には、365種の生薬が記載されていますが、その中に数種類の薬用キノコも含まれています。そのうち、最も有名なのは霊芝(レイシ)に属するキノコの一群です。

現代では、2015年までに850種以上のキノコについて、その薬用価値が発見されています。

中国最古の薬典である『神農本草経』には、365種の生薬が記載されています。写真は、同書のなかにもある霊芝(レイシ)です。(Shutterstock)

おいしく食べて「体内を解毒」

現在、食用のキノコとして、最も一般的に食べられている品種は何でしょうか。
世界各地で生産されるキノコの約40%を占めるのはマッシュルームです。続いて多いのはシイタケで、世界のキノコ生産量の約22%を占めています。

世界で最も高価なキノコといえば、「台所のダイヤモンド」と呼ばれるトリュフです。
トリュフは森の木の根元ちかくに生えており、その発見には熟練の技が必要とされます。通常は、この希少なキノコを探すために、トリュフ独特の匂いを認識するよう訓練された犬や豚を使います。

キノコには、肉に存在する「うま味」があります。この独特なうま味をもつことが、例えば精進料理の食材としてキノコが肉の代わりに重宝される理由です。

さらに、キノコは新陳代謝を促進し、体内のデトックス(解毒)を助けます。

キノコには通常、ビタミンB群、抗酸化物質、食物繊維などの有益な栄養素が豊富に含まれています。また、人間の代謝と免疫系に有益であるうえ、フリーラジカルの除去にも役立ちます。

科学者は、キノコの細胞壁を構成する植物性多糖類であるβ(ベータ)グルカンに注目しています。βグルカンは、キラーT細胞の活性化を通じて炎症の抑制に寄与するとともに、免疫系を強化することが示されています。
(次稿に続く)
(翻訳編集・鳥飼聡)