写真は2017年に核兵器研究所を視察する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記。(STR/KCNA VIA KNS/AFP)

「中国は北朝鮮の非核化を妨害」ポンペオ氏、国際会議で発言

米国のマイク・ポンペオ前国務長官は13日、中国は北朝鮮の金正恩委員長に影響力を行使し、同国の非核化に向けた米国の取り組みを妨害していると指摘した。米UPI通信社(United Press International、ユナイテッド・プレス・インターナショナル)が伝えた。

ポンペオ氏は、同日、韓国ソウルで開かれた国際会議「アジア・リーダーシップ・コンファレンス(ALC)」で発表したビデオインタビューの中で、「北京は北朝鮮の非核化を望んでいない」と指摘した。「中国は金委員長が核兵器を保有することで利益を得ているからだ 」という。

ポンペオ氏は「中国共産党にとって、北朝鮮は安全保障上の緩衝地帯だ」とした。北朝鮮が核兵器を保有していれば、米国は防衛のため資源を投入しなければならないからだという。

ALCは毎年開催される国際会議で、世界の政治家、学者らが現代社会で直面している主な問題の解決策を模索する。

ポンペオ氏は金正恩氏を「抜け目のない人物」と評している。「金氏はより大きな経済的利益と引き換えに武器を放棄することに、本当は関心があった」という。しかし、「中国は米朝間の外交交渉に直接介入した」と指摘した。

ポンペオ氏は、トランプ前政権で国務長官として金委員長と何度か会談した。毎回の会談後、習近平氏から電話がかかってきて「米国務長官と一緒にその道に進んではいけない」と北朝鮮を牽制したという。

同氏は、習近平氏からの電話に関する情報源を示さなかった。

「習氏は背後で金委員長を支配している」とポンペオ氏は考えている。

中国の張軍国連大使は先月、国連総会で、北京は「半島の平和と安定を維持し、非核化を実現することを常に主張してきた」と発言したばかりだ。

いっぽう、5月には、弾道ミサイルの発射が相次いだ北朝鮮に追加制裁を科すという米国主導の安保理決議に、ロシアとともに中国は拒否権を発動した。

「金正恩委員長自身は、我々が提示する道が正しいと信じているようだが、実際には習近平氏が彼を操っている。そのようなことは何度もあった」とポンペオ氏は述べた。「ある意味では、北朝鮮の核兵器は、たんに中国の核兵器プログラムの延長と見ることができる」とした。

今年に入って核実験再開の兆候も報じられている北朝鮮に、非核化問題で譲歩させるためにも、ポンペオ氏は「対朝の制裁強化」を呼び掛けた。

(翻訳編集・李凌)

 

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