2022年7月21日、ワシントンD.C.の米国連邦議会議事堂で記者会見を行うナンシー・ペロシ米下院議長 (Nathan Howard/Getty Images)

ポンペオ氏「一緒に行こう」ペロシ氏の訪台を支持

マイク・ポンペオ前国務長官は24日、ペロシ下院議長が8月に台湾訪問を計画していることをめぐり「一緒に訪問したい」と申し出た。米政権からは慎重論が出るなか、訪台すれば「強力な措置」を取ると警告する中国を尻目に、台湾支持を表明した。

ポンペオ氏は「ナンシー(ペロシ氏)、一緒に行こう」「中国には出入り禁止だが、自由を愛する台湾には訪問できる」とツイートした。

ペロシ氏は当初、4月に日本と台湾を訪れる予定だったが、新型コロナウイルス検査で陽性となったため、訪問を延期していた。バイデン政権は搭乗する飛行機が中国に撃墜される恐れがあるとし、訪台について否定的な考えを示している。

こうした中、ペロシ氏は21日、台湾訪問計画について安全保障上の観点から明言はさけたものの、中国共産党による台湾攻撃を抑止することは「非常に大きな課題」であり、「台湾への支持を示すことが重要だ」との見解を示した。

ペロシ氏の台湾訪問については、複数の米下院議員からも支持する声があがっている。

ブライアン・フィッツパトリック議員は同日、「中国共産党のいじめに屈せず、強さ示すべきだ」とツイート。トム・ティファニー議員とスコット・ペリー議員も22日付でペロシ氏に共同書簡を送付し「米下院議長として、米国の友好国や同盟国と話をするために、外国の独裁国家や国務省に許可を求める必要は決してないはずだ」と訪台を後押しした。

中国は強く牽制

外交部の趙立堅報道官は25日、ペロシ氏の訪台について「米側が独断で強行すれば、国家主権と領土保全を厳守するため、中国は断固とした措置を講じる。米側はすべての結果の責任を負うことになる」と牽制した。

いっぽうで軍事専門家は、中国共産党があえて軍事行動を起こすとはないとの見解をしめしている。台湾の中華戦略前瞻協会の揭仲氏は25日、大紀元の取材に対し「中国空軍の戦闘機が領空に近づけば、台湾空軍は直ちに行動を起こす。ミサイルを発射して戦闘機を阻止することもある。中国がこうした行動にとるとは思えない」と指摘した。

(翻訳編集・山中蓮夏)

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