2022年4月4日、ジョシュ・ホーリー上院議員 (Win McNamee/Getty Images)

フィンランドとスウェーデンのNATO加盟反対 米議員、中国の動向に注視

ジョシュ・ホーリー上院議員は1日、フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)への加盟に反対する考えを表明した。軍事的威圧を強め近隣諸国の支配を試み、米国の弱体化を狙う中国共産党の動向に注視すべきだと訴えた。

5月中旬、北欧スウェーデンとフィンランドは、NATOへの加盟を正式に申請した。NATOに加盟する30カ国すべての承認が必要となるなか、トルコが難色を示していたが、一転して合意したことで加盟に向け大きく前進。米上院は、加盟承認に向けた採決を3日に行うとしている。

ホーリー氏は、米外国専門誌ナショナル・インタレストに寄せた寄稿文のなかで「米国にとって最大の敵はヨーロッパにはいない。中国(共産党)だ」と主張。太平洋における中国の軍事的侵略を撃退する米国の体制作りは不十分だと指摘し、海洋進出を強める中国の脅威に焦点をあてるべきだと訴えた。

さらに、欧州の同盟国について、自国の軍隊に投資することで、ヨーロッパ防衛の第一の責任を負う必要があると述べた。NATO加盟国は2006年、少なくとも国内総生産(GDP)の2%を国防費に充てることを約束しているものの、大半の加盟国はこれを順守できていない。

多くの共和党議員が、NATOへの加盟を支持するなか、ホーリー氏は400億ドルのウクライナ支援策に反対票を投じた11人の共和党上院議員の一人。

米下院は7月中旬、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟を支持する決議案を承認した。ロシア当局は6月下旬、両国がNATOに加盟した場合、「深刻な軍事的結果」を招くと警告している。

(翻訳編集・山中蓮夏)

関連記事
トランプ陣営は4月30日に、大統領討論会委員会が何百万人ものアメリカ人がすでに投票を済ませた後まで討論会の日程を繰り上げようとしないことを「容認できない」「有権者に対する重大な冒涜だ」と非難した。
フロリダ州、アイオワ州、ルイジアナ州、テネシー州、ジョージア州、オクラホマ州など、全米の保守的な州は、不法移民を対象とする法案を提案または可決し、国境警備の問題を取り上げている。
トランプ前大統領は1日、11月に行われる2024年大統領選挙で勝利できなかった場合の対応について明らかにした。 […]
米オハイオ州に住む61歳の女性が2021年1月6日に行った行為に対する重罪で有罪判決を受けたと、検察が4月29 […]
アメリカ最高裁のトーマス判事が、トランプ前大統領の弁護団に、特別検察官ジャック・スミスが大統領に対する起訴権限に異議を唱えたかどうかを問いただした。