エストニアのウルマス・リンサル(Urmas Reinsalu)外相(GINTS IVUSKANS/AFP via Getty Images)

エストニア・ラトビア、中国との協力枠組み離脱 バルト三国揃う

欧州のエストニアとラトビアは11日、中国が主導する中東欧・バルカン諸国と中国による経済協力首脳会議「17+1」から離脱すると発表した。昨年離脱したリトアニアを含め、バルト三国が足並みをそろえた。

米メディア「ポリティコ」は、中国政府がウクライナに侵攻したロシアとの友情に「限界はない」と公言したことに対し、バルト三国は「深く憎悪している」と分析。三国はロシアのプーチン大統領が「ソ連帝国」の復活を計画しており、ウクライナ侵攻はその一部に過ぎないと懸念している。

リトアニアは、中東欧諸国の中で「17+1」を脱退した最初の国である。同国政府は、「17+1」経済協力は自国に利益をもたらすことはなかったと指摘し、他国に離脱するよう呼びかけた。

エストニア政府は11日に声明を発表し、「17+1」から脱退した後「ルールに基づく国際秩序と人権などの価値観に沿って、中国側と引き続き建設的で実務的な関係に向けて取り組んでいく」とした。

また声明は「昨年2月の首脳会議以降、いかなる形式の会合にも一切出席していない」と明らかにした。

ラトビア外務省も同日声明を公表し、「ラトビアの外交及び貿易政策に関する現在の優先事項を考慮し、中東欧と中国の協力枠組みへの参加を中止することを決定した」とした。

中国は離脱した両国に対して報復措置を講じる可能性がある。エストニアの外交官は「報復される理由はない」とした。

リトアニアは昨年離脱した後、台湾との友好関係をさらに強化した。中国側はリトアニア製品を締め出し、同国との外交関係を「代理大使級」に格下げした。

近年、中東欧諸国は中国との経済協力に不信感を強めている。ポリティコは、中国は今年初め、中東欧諸国の「生ぬるい反応」を感じたため霍玉珍特使を中東欧8カ国に派遣し、関係修復に努めていたと指摘した。

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